第5話「どの子どもに継がせるか決めるのは難しい」|事例に学ぶ 事業承継|【公的機関】事業承継なんでも相談所|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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事例に学ぶ 事業承継
事業承継相談員が見聞きした事業承継にまつわる「うそのような本当にあった出来事」をシリーズで紹介していきます。
ただし、みなさまに問題点をわかりやすく考えていただくため、少し脚色しています。その点はご容赦ください。
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第5話「どの子どもに継がせるか決めるのは難しい」

子どもはどの子もかわいいのが親の気持ちです。
複数の子どもを持った経営者によくある悩みの一つが、どの子を後継者にするかです。
とある企業の事例を見ていきましょう。かなりの業歴を誇る企業の話です。

社長には2人の息子がいました。
老舗だけに息子に経営を引き継ぐことは既定路線です。

一般的には長男の承継があたりまえと思われます。
そしてこの会社も長男が後継社長になりました。

当初は特に問題もなく過ぎましたが、
ある時から経営者らしからぬ行動が目につき始めました。
奥さんの我儘もあり、本社のある大阪には寄り付かず東京に常駐するは、
東京の事務所を勝手に移転するはと。
社内の空気も淀み始めました。

その時、先代は会長となっていたのですが、
二頭政治の悪弊をよく知っていましたから、経営の実権は社長に委ねていました。
しかし、事態はほっておくことはできないところまで至ってしまったのです。

そこで会長がとった行動は、外部にいた次男を社内に入れ社長を交代させ、
さらに長男を会社からも放逐したのです。 親として全経営者としての責任で。
きっと「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」気持ちだったのでしょう。

こうした事情から新社長になった次男は、人のふり見て我がふり直せではないですが、
真面目に経営に取り組みました。
経営センスも父親に負けず劣らずで、経験を積むほどに経営者らしくなり、
父親を超える域に達したとはた目からみられる存在となりました。

その結果、業績も一回り、二回り拡大しています。
父親も念願の会長という職でありながら、
日々の経営から解放され老後の生活をエンジョイされています。

担当:事業承継相談員 田口 光春(タグチ ミツハル)

息子だから社長の器と考えるのは危険
泣いて馬謖を斬らなければいけない場合もあります。
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