会社の取締役を解任する場合の注意点の相談詳細(回答) « よくある経営・法律相談 « 経営に役立つ情報 « サンソウカン経営相談室

大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

会社の取締役を解任する場合の注意点

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 会社の取締役を解任する場合の注意点

    当社において,経営方針の不一致から取締役を解任しようと考えています。具体的にどのような手続きをとればよいでしょうか。

    株主総会を開催して,解任の決議を行う必要があります。



    1 取締役解任が必要な場面
     経営方針の不一致や,業務縮小に伴う役員のスリム化要請,さらには,不祥事を起こした取締役の責任追及など,様々な理由から取締役を解任しなければならない場面があります。その場合,会社と当該取締役との間で合意して辞任する方法や,任期満了に伴い退任してもらう方法も考えられますが,そのような合意が取れない場合や任期が未だ残っている場合にはそのような方法はとれません。そこで,このような場合には,次のような取締役の解任手続きをとる必要があります。

    2 取締役解任の具体的手続き
     まず取締役の解任には,株主総会決議が必要です(会社法339条1項)。そのため,会社としては,各株主に対して,株主総会招集の通知をしたうえ,実際に株主総会を開催し,当該取締役を解任する旨の決議をとる必要があります。この決議は,いわゆる普通決議(会社法309条1項)で足ります。なお,仮に当該取締役が株主でもある場合は,当該取締役に対しても,他の株主と同様に株主総会招集の通知をしなければなりません。
     次に,仮に上記のような普通決議で解任が認められなかった場合(例えば,解任される取締役及びその関係者が,議決権の過半数を保有しており,それらの者が解任に反対した場合),株主は,一定の条件のもと,当該取締役の解任の訴えを裁判所に請求することが可能です(会社法854条)。

    3 解任によって生じた損害の賠償の要否(正当理由の有無)
     以上の手続きで解任が認められたとしても,その解任に正当な理由がなければ,会社は,当該取締役に対し,解任によって生じた損害を賠償しなければなりません(会社法339条2項)。具体的には,当該取締役が解任されなければ在任中に得られたであろう役員報酬等があげられます。この正当理由には,取締役の職務遂行上の法令・定款違反行為,心身の故障,職務への著しい不適任(著しい能力の欠如など)等がそれにあたるとされています。
     会社としては,このような正当な理由がないのであれば,任期中の役員報酬等を支払わなければならないことにも留意して解任手続きをとるか否か考える必要があります。

    産創館の事業承継相談窓口のご紹介

    事業承継のお悩みに、中立な立場でアドバイス。
    セカンドオピニオンとしてもご利用いただけます。

    事業承継無料相談サービス
    https://www.sansokan.jp/sob/

    さまざまな事業承継の事例をご紹介!
    読み物「事例に学ぶ事業承継」
    第5話「どの子どもに継がせるか決めるのは難しい」
    https://www.sansokan.jp/sob/reports/no05.html

    第10話「子どもを平等に扱うと事業承継で問題に」
    https://www.sansokan.jp/sob/reports/no10.html

カテゴリーで相談を探す

ページトップへ戻る