第80話「娘婿への社長交代は入念な計画に基づいて」|事例に学ぶ 事業承継|【公的機関】事業承継なんでも相談所|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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事例に学ぶ 事業承継
事業承継相談員が見聞きした事業承継にまつわる「うそのような本当にあった出来事」をシリーズで紹介していきます。
ただし、みなさまに問題点をわかりやすく考えていただくため、少し脚色しています。その点はご容赦ください。
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第80話「娘婿への社長交代は入念な計画に基づいて」

今回は、入念な準備の末に娘婿に社長を譲られた会社の事例をご紹介します。

その会社と出会ったのは20年以上前のことです。
当時の社長はまだ50歳を超えたばかりで、事業承継が課題となるような時期ではありませんでした。

数年が過ぎたころ、私のところにとある若者を連れてこられました。
そして嬉しそうに次のような話をされたのです。
「彼と長女が結婚することになった。本人も納得してくれ、会社に入って将来は私の後を継いでもいい、と言ってくれている。」と。
本当に嬉しそうに、その将来の義理の息子を愛おしく見つめながら話をされたのです。
入社後は、東京にある支社で会社の仕組みを学んでもらうつもりである、とも話されました。

それから数年が過ぎましたが、いっこうに社長を交代される雰囲気がありませんでした。
社長に交代の予定を聞いても、返事は「まだ、まだ」でした。
確かに、社長の年齢も若く、急ぐ必要もなかったのですが。

そして、10数年が過ぎたころ、ようやく社長交代のニュースが聞こえてきました。
まさに満を持して、といった感じでした。
その間の後継者教育について大変興味を持ち、改めてお話を伺いました。

婚礼が決まり、後継者になってもいいとの返事をもらった時から、社長なりに、けれども用意周到な計画を作っておられました。
営業所も含め、社内の主だった部門を経験させていましたが、その期間までしっかり決めていました。
また、外部で学ぶ機会も積極的にとれるよう配慮されていました。
そして、社内だけでなく、銀行や取引先など主だった関係先にも公表することで、後継者の自覚を高める環境を作っていきました。
このように10数年にわたる後継者教育を経て、描いた通りの時期に社長交代がなされました。

社長を交代した時点でも、前社長はまだ古希を迎えていませんでした。
その後も会長として後継者をサポートしながら、経営権を左右する株式への対処を徐々に進められました。

第73話第74話にも共通しますが、後継者を育てる時間とその使い方はとても重要です。
その時間は、後継者が会社を知り自覚を高める時間でもありますが、経営者としての適性を見る時間でもあり、周囲が後継者を受け入れる時間にもなるのです。

(2020年9月18日更新)

担当:事業承継相談員 田口 光春(タグチ ミツハル)

「社長交代には周到な計画による後継者教育が重要」
「後継者指名の公表は本人に自覚を促すことになる」
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