パート1では、採用市場の現状と、そのなかで人材を確保していくための勝ち筋、そして中小企業にX(Twitter)採用がオススメである理由を解説しました。続いてパート2では、X(Twitter)採用に取り組むメリットと、運用をしていく上での注意点についてご紹介します。
目次
1.中小企業をとりまく採用市場(求職者の現状、採用手法の多様化)
2.採用大混乱時代における中小企業の勝ち筋
3.X(Twitter)採用がオススメな理由
4.メリットと副次的な効果
5.運用上のポイント
最後に
4.メリットと副次的な効果
X(Twitter)で採用を行うメリットはいくつかありますが、代表的なものを3点ご紹介いたします。
(1) 究極のダイレクトスカウトになりうる
就活用のアカウントの場合、投稿内容によっては志望業界まで確認することができます。ビジネス用のアカウントの場合、勤務先や職種、居住地などを登録している方がいます。いきなりDMを送ることはオススメしませんが、自社で投稿した内容に対して好意的なリアクション(いいねやリポスト)をしてくれた方に対してDMを送ることで、直接のアプローチも可能です。
(2) 転職潜在層に向けて早期のアプローチができる
正社員として働く会社員に、転職状況をたずねたアンケート調査では以下の回答結果でした。
「今現在、転職活動を行っている」と回答した転職顕在層は9.5%。
「転職する気はないが、良い縁があれば転職したいと考えている」転職潜在層は61.1%。
「全くの転職意向なし」と回答した方は29.4%。
※出典元:株式会社YOUTRUST「求職者・候補者の転職意識の実態」に関するインターネット調査(2022年2月)
https://b2b-ch.infomart.co.jp/news/detail.page?IMNEWS4=3197704
X(Twitter)上で転職潜在層の目に留まり、記憶に残り続けることができれば、転職を思い立ったタイミングで第一想起してもらえる可能性があります。
(3) 自社のリアルを知ってもらう最強のコンテンツになる
X(Twitter)上で交流する方以外にも、ハローワークや求人媒体、転職エージェント経由で自社のことを知った求職者に社名検索をされることがあります。
経営者の人柄や働く人たちの様子、会社のイベントやお客様とのやり取りなどの発信があることで、会社の魅力がよりリアルに伝わります。
他にも、X(Twitter)では、その瞬間の出来事や感情をリアルタイムで発信することができます。求人情報や採用サイトだけでは伝えきれない、会社の魅力が伝わるコンテンツとしても有効です。
また、副次的な効果として社員のエンゲージメント向上も挙げられます。
経営者が考えていることを把握することで、会社の理念やビジョンに対しての理解が深まります。また、一緒に働く仲間の様子を知ることで親近感が湧くなど、直接の交流がなくても会社との繋がりを感じることができるのではないでしょうか。
5.運用上のポイント
ここからは具体的なX(Twitter)の運用方法についてご紹介いたします。
(1) 個人アカウントを開設する
中小企業においての究極のブランディングは社長です。企業の公式アカウントではなく、経営者様の実名、顔出し、会社名を入れての運用をオススメします。
もちろん、社内でX(Twitter)の運用をしたいという方がいらっしゃればお任せするのも一つです。弊社でもNo.2が先にアカウントを開設し、フォロワー数が伸びてから、代表のアカウントを開設しました。(今では全社員がアカウント開設)
(2) 誰が・誰に・何を投稿するのかに一貫性がある
採用をゴールに運用をするのであれば、まず採用ターゲットを明確に設定する必要があります。そして、その方に興味を持ってもらうためにはどのようなアカウントにし、どのような投稿をすれば採用に繋がるのかを考えます。
例えば、新卒採用を目的に文系の学生を狙うのであれば、親近感を持ってもらえるようなアカウントを開設し、就活中の学生のためになる情報や文系の社員がどのように活躍しているかの投稿を増やすことで興味を持ってもらう可能性が高まります。
他にも、中途採用を目的に幹部クラスの社員を狙うのであれば、権威性のあるアカウントを開設し、専門的なノウハウや他社との違い、自社の実績などを投稿することで興味を持ってもらえる可能性が高まります。
(3) 一日一投稿を目標に運用する
初めてアカウントを開設する場合、まずは1000フォロワーを目指します。そのためには、不定期にまとまった時間を設けて運用するよりも、毎日数分でも継続して運用する方が効果的です。
例えば、朝起きて、移動中、ランチ中、休憩中、就寝前など、投稿時間を決めておくと習慣化しやすいです。この時点での投稿内容は、特にこだわらなくても構いません。一日一投稿を続けられることが何よりも重要です。
私の場合、0フォロワーから始めて3カ月で500フォロワーを達成しました。その間にやっていたことは、一日一つ以上の投稿と、仲良くなりたいアカウントに対する積極的ないいねとフォローです。300フォロワーになると毎日複数の方からフォローしてもらえたり、X(Twitter)上での交流も増えてきて楽しいと感じるようになりました。(現在3400フォロワー)
(4) フォロワー数を伸ばした上で、採用ターゲットを意識した運用をする
1000フォロワーを達成したタイミングで、本格的に採用ターゲットを意識した運用を開始します。※(2)で考えた通り
それに加えて、自社で採用を行っていることを案内したり、採用イベントの周知を定期的に行っても良いかもしれません。
もし特定の採用ターゲットを狙うようであれば、候補者をリスト化し、まずはいいねや相互フォロー、リポストなどX(Twitter)上での関係構築に努めます。関係構築ができたことを確認できれば、個別DMを送って接触を図ります。DMを送付する場合も、いきなり選考を案内するのではなくカジュアル面談や情報交換などハードルの低いお誘いから始めるのがオススメです。
最後に
X(Twitter)採用はハードルが高いように思えるかもしれませんが、中小企業の経営者様の魅力が伝わる採用手法です!
積み立て型の採用手法として、自社の採用資産を貯めるためにも、ぜひ一度試していただければと思います!