第59回 中小企業におけるX(Twitter)採用とは?メリット、運用のコツ①|経営事典|マネジメントNavi|大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

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2024.06.04公開

中小企業におけるX(Twitter)採用とは?メリット、運用のコツ①

人手不足の深刻化・働き方の多様化・採用手法の複雑化など、採用に影響するさまざまな世の中の変化が加速をしています。これまでと同じ採用活動をしていても、「人が集まらない……」とお困りの経営者、人事担当者の方も多いのではないでしょうか?
そんな中、新たな採用手法として、SNSを活用した採用に取り組む中小企業も増えてきました。今回はとりわけ、「短文投稿で拡散力が高い」特徴をもつX(Twitter)を用いた採用活動について、そのメリットや運用のポイントを全2回に分けてご紹介します。

目次 ※今回は1~3までを取り上げます。
1.中小企業をとりまく採用市場(求職者の現状、採用手法の多様化)
2.採用大混乱時代における中小企業の勝ち筋
3.X(Twitter)採用がオススメな理由
4.メリットと副次的な効果
5.運用上のポイント
最後に

「最近、今までうまくいっていた採用手法が通じなくなってきた・・・」
「SNS採用に挑戦してみたいが、どのように運用すれば良いのか分からない・・・」
こうしたお悩みをお持ちの方は、多いのではないでしょうか?

本コラムでは採用がうまくいかない時代背景を踏まえ、SNS採用の中でも中小企業の経営者様にオススメしたいX(Twitter)採用についてご紹介いたします。

1.中小企業をとりまく採用市場(求職者の現状、採用手法の多様化)

今、採用市場は大混乱時代を迎えています。
まずは、その背景にある3つのトレンドについてご紹介します。

(1) 労働人口の減少
人口動態は「すでに起こった未来」と呼ばれるほど、高精度で予測できるデータだと言われています。以下のグラフをご覧ください。
労働人口の推移 図の内容は、この後の本文で説明しています。【出典:総務省|情報通信白書】

労働者になり得る15~64歳の人口は、2020年から2030年の間で約600万人減少しています。つまり、今日よりも明日、今年よりも来年、どんどん採用することが難しい時代になります。

(2) 求職者の大手志向
新卒採用においては、依然として学生の第一志望は大手企業です。例年、企業選びのポイントでも「安定している会社」「給料の良い会社」などが挙げられます。
また、これまで新卒至上主義で採用を行ってきた大手企業ですが、最近ではキャリア採用の間口を広げています。転職を希望する求職者も、まずは大手企業へエントリーをするといった流れが増えています。
味の素株式会社:キャリア採用の拡大。株式会社日立製作所:新卒採用と経験者採用の比率を初めて1:1。日本経済新聞・メガバンクは中途採用を急増させている。

(3) 勝てる採用経路が不明確
大手企業に対して、資金や人員などのリソースが少ない中小企業は、“勝てる”採用経路をしっかりと見極めて、コストを投資する必要があります。例えば、求人媒体であれば以下の条件をクリアしているものがオススメです。

<中小企業でも勝てる求人媒体>
・求職者と企業の比率が崩れている
 登録している求職者の数が多く、掲載している企業の数が少ない
・お金ではなく汗と知恵で勝負できる
 有料プランやオプションなどの課金をしなくても、上位表示される要素がある
 例:記事の投稿数、エントリー数やいいね数など
・大手有利な要素が少ない
 給与や待遇などの条件記載ができない、中小企業を志望する求職者が多く利用している

しかし、今は絶対に勝てる!といえる採用経路がなかなか見つかりません。
人がいない、求職者も大手志向、採用できる経路も分からない、そんな採用大混乱時代を迎えた今、中小企業はどのように採用を行えば良いのでしょうか。

2. 採用大混乱時代における中小企業の勝ち筋

これからの時代は“採用資産”を貯めることで、自社の採用力を上げていく必要があります。
そこで、ご紹介したい キーワードは「掛け捨て型の採用と積み立て型の採用」です。

(1) 掛け捨て型の採用とは
その年の頑張りが、単年の結果にのみ影響する採用のことです。
例えば、合同説明会への参加、求人媒体への掲載、人材紹介会社への依頼などです。短期的には有効な方法なので、上手くいっているのであれば継続をオススメします。
もし上手くいっていないようであれば、参加する合同説明会/掲載する求人媒体/依頼する人材紹介会社を変更することをご検討ください。やり方を工夫することはもちろんですが、そもそも戦う場を間違えていることも多いです。

(2) 積み立て型の採用とは
その年の頑張りが、翌年以降の結果にも影響する採用のことです。
例えば、スカウト型採用、リファラル採用、SNS採用などです。短期的には成果が上がりにくいですが、やり続けることでノウハウが貯まり、資産としての採用力が積み上がります。お金をかけなくても、汗をかくことで勝てる可能性がある採用手法です。

最近では掛け捨て型の採用に加えて、積み立て型の採用に力を入れる中小企業も増えてきました。その中でも、ここからはSNS採用について詳しくご紹介いたします。

3.X(Twitter)採用がオススメな理由

今、若い世代を中心にSNSは生活の一部となっています。
また、ビジネスアカウントや公式SNSなど、ビジネスの場でも当たり前のように使われるようになりました。主なSNSの月間アクティブユーザー数は以下の通りです。

「主なSNSのユーザー数」アクティブユーザー数:LINE8600万人、Twitter4500万人、Instagram3300万人、Facebook2600万人。拡散性・データ活用:LINE×、Twitter〇、Instagram△、Facebook△

月間アクティブユーザー数は第二位ですが、採用においてはX(Twitter)をオススメします。

<X(Twitter)をオススメする理由>
①拡散力がある
最大の特徴は、他のSNSと比べて拡散性があることです。知名度がなくても、フォロワー数が少なくても、投稿内容に共感してくれる方がいれば拡散してもらえます。中小企業でも会社の知名度を高めるという点では、非常に効果的です。

②運用負荷が低い
個人の得手不得手もありますが、投稿できる文字数は140文字という制限があるので、文章作成が苦手な方でも取り組みやすいのではないでしょうか。
また、写真や動画の投稿がなくても運用は可能です。きれいな写真を撮影・加工したり、面白い企画を考えて動画を撮影・編集するなどの手間も不要です。

③就活用/ビジネス用のアカウントを持っている人が多い
X(Twitter)は情報収集を目的に利用している方が多く、プライベートとは別にビジネス用のアカウントを作成している方も多い印象です。例えば、就活時に就活用のアカウントを作成し、以下のような投稿を行う学生もいます。

<就活用アカウントの投稿>
改めて自己紹介します。大学:関関同立、サークル〇、ゼミ〇、バイト〇(居酒屋)、長期インターン〇、志望業界:商社、IT、メーカー

パート2に続きます。

↓今回のコラムを書いたのはこの方↓

内田 舞(うちだ まい)氏

内田 舞(うちだ まい)氏

 

白潟総合研究所株式会社 組織・人事コンサルティング事業部 西日本事業部長

香川大学を卒業後、新卒1期生としてトーマツイノベーション株式会社へ入社。中小・ベンチャー企業350社以上の人材育成・能力開発に携わる。各企業の要望に合わせて、研修の企画・作成・実施も行う。登壇テーマは95以上、累計1,080回以上の研修を実施。
その後、白潟総研グループにて、採用戦略の立案・実行支援、組織開発・組織変革、人事評価制度構築、教育制度構築など、「人と組織の成長」に関するコンサルティングに従事。大阪支社の立ち上げに携わり、採用副室長としての役割も担う。
経営者の思いや考えを言語化し、一つずつカタチにしていく伴走型の支援を得意とする。

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