
会社の設立手続は、定款の作成から始まるわけですが、作成作業にとりかかる前に、次の事項について準備しておくことが必要です。
1. 法務局の管轄の確認
会社の設立登記などの商業登記は、法務局へ申請します。各地区に法務局又は出張所がありますが、その管轄は、会社の本店及び支店の所在地により定められます。管轄の相違する法務局に登記の申請をしても受理されません。 不動産登記の管轄と異なる場合もありますので、電話などで問い合わせて下さい。
●法務局リスト
2. 商号の事前調査
- 2006年の会社法施行により類似商号の規制が廃止されたことで、他の会社と目的の一部を同じくし、同一の商号の会社の設立登記ができるようになりました。但し、不正の目的をもって他の会社と誤認されるおそれのある商号を使用することは禁止されていますし、不正の目的をもって他の会社であると誤認されるおそれがある商号を使用した者は100万円以下の過料に処せられ、又、不正競争防止法にも抵触する可能性があるので注意が必要です。登記所の窓口において調査簿を閲覧し調査することをお勧め致します。
- 類似商号の規制は廃止されましたが、商号・本店所在地を同一とする設立登記の申請は受理されません。
3. 事業目的の表現の確認
定款に記載する事業目的は登記事項でもある為、取引先、一般の方々より確認されることがあります。2006年の会社法施行により具体性、明確性の要件が大幅に緩和されましたが、法律上認められない目的もあるので、登記に適しているかの判断は、法務局に相談されることをおすすめします。又会社設立後、許認可等を受ける予定の会社は目的内容によっては許認可が受けられず、会社設立後に事業目的を変更する登記が必要となる場合があるので、あらかじめ許認可の監督官庁に確認する方がよいかと思われます。
4. 会社実印の発注
会社の設立登記を申請する際には、同時に代表者の印鑑(会社実印)を法務局に届け出る必要があります。 届け出る印鑑については、大きさなどにつき制約がありますが、これに反しない限り刻印する文字などは自由です。個人の印鑑を会社印として届け出ることも可能です。(但しこの場合代表者変更する度に改印届出を行う必要があります。)
新調する場合は、商号調査が完了し、商号が確定したら、日程を考慮した上であらかじめ注文しておいた方がいいでしょう。
5. 発起人及び代表取締役就任予定者の印鑑証明書
設立の手続において、次の通り印鑑証明書が必要になります。 また、書類作成の際、住所・氏名などの記載は印鑑証明書の表示通り正確にする必要がありますので、そのためにもあらかじめ印鑑証明書を用意し、参照しながら記入した方が無難です。
- 定款認証のため公証人役場提出 : 発起人全員について 各1通
※法人が発起人の場合は、法人の登記簿謄本及び印鑑証明書各1通が必要です。
- 法務局提出 : (取締役会非設置会社)各取締役全員 各1通
(取締役会設置会社)代表取締役 1通
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