契約違反をしていないのに、物件から退去するよう貸主から告げられてしまいました。の相談詳細(回答) « よくある経営・法律相談 « 経営に役立つ情報 « サンソウカン経営相談室

大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

契約違反をしていないのに、物件から退去するよう貸主から告げられてしまいました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Clip to Evernote
  • 契約違反をしていないのに、物件から退去するよう貸主から告げられてしまいました。

    私は、商業施設の区画を賃貸してテナントとして入居しているのですが、契約更新が近づいたある時、いきなり貸主から退去するよう求められてしまいました。契約違反はしていないのに、従わなければならないのでしょうか?

    同じ建物賃貸借でも、締結した契約の類型によって大きく状況が異なってきます。


    商業施設の場合、貸主がテナントの入れ替えや、あるいはフロア全体のリニューアルをしたかったりする場合などには、賃借人に対して退去交渉が持ちかけられることがあります。

     このようなときに賃借人がまず確認すべきなのは、賃貸借契約の類型が「普通建物賃貸借契約」なのか、「定期建物賃貸借契約」なのかです。

     まず、普通建物賃貸借契約であれば、当事者が、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に相手方に対して更新拒絶通知をしていない限り、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます。つまり、原則として更新されるのです。

     では、その期間中に更新拒絶通知がなされればそれだけで期間満了をもって契約が終了するのかというと、そうではありません。賃貸人と賃借人双方について、建物の使用を必要とする事情のほか、従前の経過、建物の利用状況や現況、そして立退料の申出を考慮した上で、正当事由がある場合に限って更新拒絶が許されます。現にそこで営業をしている賃借人には、通常、建物の使用を必要とする事情はあるはずですから、賃貸人の都合での更新拒絶は容易には認められないことが多いといえます。

     これに対して、近年、商業施設のテナント契約などで積極的に利用されている定期建物賃貸借の場合はまったく状況が異なります。これは、事前に書面を交付して説明をした上、さらに、契約書の作成をすることで、上記の普通建物賃貸借契約とは異なり、自動的に更新されないことを合意する類型の契約です。

     そのため、契約期間が満了した場合はそこで契約が終了します(ただし、賃貸人は期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に契約が終了することの通知をしておく必要があります。)。賃借人としては、賃貸人に対して再契約をもちかけることができるにとどまり、賃貸人が再契約を望まない場合は退去をしなければなりません。

     以上のとおり、テナント契約がどのような類型の賃貸借契約なのかを確認した上で、今後の対応策を検討するというのが賃借人の最初の対応になるでしょう。

回答した専門家
法律(弁護士)

齋藤 亮介

機械、医薬品などのメーカーや小売業者の企業法務を手掛けてきました。行政とのト...

普段は主に機械、医薬・化粧品などのメーカー、小売業者、不動産・建築業者などの企業法務を手掛けています。これまでの経験を大阪の皆さんの企業活動に役立てたいと考えています。
また、公務員経験と行政法の大学教員としての経験をいかして、企業が直面する行政法に関する問題の解決にも力を入れています。
その他、企業家が遭遇する家族の問題などについてもご相談ください。

ライセンス

弁護士

重点取扱分野

■企業法務
取引基本契約、業務委託、不動産賃貸、製作物...

カテゴリーで相談を探す

ページトップへ戻る