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代表取締役の住所を非表示にできると聞きました。この制度を使う場合の仕組みや注意点を教えてください。
令和6年10月から、希望すれば登記簿に代表取締役の住所を載せないことが可能になりました。ただし、手続きの条件や取引上のデメリットもあるため注意が必要です。
◆登記簿と住所表示のこれまで
会社の登記簿は、法務局やインターネットで誰でも確認でき、会社の「本店」「資本金」「事業目的」などのほか、これまでは代表取締役の「氏名と住所」も必ず記載されていました。
しかし、プライバシーや安全面から「住所公開は危険ではないか」という議論があり、これまではDV・ストーカー被害者など限られた人だけが非表示にできました。
◆制度改正で変わる点
令和6年10月以降は、希望すれば誰でも代表取締役の住所を非表示にできるようになりました。ただし、「完全に消える」わけではなく、市区町村まで(東京都においては特別区まで、指定都市においては区まで)は表示されます。
(例:)大阪市中央区本町一丁目4番5号 → 「大阪市中央区」まで表示
◆利用する際の手続き
住所非表示を希望する場合は、次の書類を法務局に提出する必要があります。
・本店が確かに存在することを証明する書類
①配達証明郵便で確認する方法
②司法書士に現地確認を依頼する方法
・代表取締役の本人確認書類(住民票など)
・会社の実質的支配者を証明する書類(「犯罪による収益の移転防止に関する法律」に基づく書類)
◆利用できる場面は限定的
代表取締役の住所を非表示にできるのは、常に可能ではありません。
対象となるのは次のような登記のタイミングです。
・会社設立時
・本店を他の法務局管轄に移転する時
・代表取締役の就任登記や住所変更登記をする時
◆注意すべき点
住所が登記簿に載らなくなると、プライバシー保護には有効ですが、以下の点に注意が必要です。
・融資の際、金融機関が代表取締役本人の確認を厳しく行う可能性がある
・取引、契約で追加の書類提出や説明を求められる場合がある
◆まとめ
希望すれば代表取締役の住所を非表示にできるようになった
・手続きには証明書類の提出が必要
・利用できるのは特定の登記の場面だけ
・取引先での本人確認が厳しくなるなどデメリットもある
プライバシーを守れる反面、実務上の影響もある制度です。利用を検討される場合は、メリットとデメリットを理解した上で進めることをおすすめします。
代表取締役の住所非表示をご検討されている方は、ぜひ経営相談室をご利用ください。
(回答日:2025年10月6日)