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当社はガス厨房で炒め物、揚げ物、パスタなどを提供する洋食店を経営しています。お店の厨房で働いている調理師から「夏は暑すぎるので何とかして欲しい。」という改善の要望が出ています。どのような対策が考えられるでしょうか?
適切な換気や、輻射熱・排気拡散・空調損失などの低減により、温度環境を改善します。
1.適切な換気量の確保
厨房では適切な換気がなされていないと、排気、油煙や水蒸気が厨房内に漂い、温度環境を悪化させることになります。厨房の適正な換気については以下の3点の確認をします。
・厨房内換気回数;風量[m3/h]=厨房面積[m2]×天井高さ[m]×換気回数(40〜50)[回/h]
・排気フードの面風速;風量[m3/h]=フード幅[m]×フード奥行[m]
×面風速(0.3〜0.4)[m/s]×3600(s)
・燃料消費量による換気;必要換気量(V)=定数(N)×理論排ガス量(K)×燃料消費量[kg/h]
または発熱量[kW]
(定数N;排気フード無し=40、排気フードⅠ型=30、排気フードⅡ型=20)
(都市ガス13Aの理論排ガス量K=0.93m3/kWh)
また、定期的に換気設備を点検し適切な排気ができていることの確認も重要です。
2.輻射熱を低減し集中排気する
涼しい厨房を実現するために、日本ガス協会、都市ガス業者、厨房機器メーカーなどが協力して【涼厨】という業務用ガス厨房機器を開発しています。これは厨房機器表面の高熱部分を通って燃焼用空気が供給され、燃焼後の排ガスを集中的に排気フード下に導くようになっているため、厨房機器表面からの輻射熱が大きく低減されます。また排ガスが厨房室内に漏れないため、室内温度を抑えることができます。さらに機器表面温度が低いので万一触れてもやけどの心配がありません。
3.適切な空調の配置
空調装置が適切な位置に配置されていることを確認します。吹出口の周囲にダクトやフードなどの障害物がある場合は、設置位置を変更する検討も必要です。空調機器が複数台設置されている場合は、別の空調装置の吸気口と吹出口が近接して狭い範囲で空気が循環するショートサーキットを起こしていないかについても注意してください。また、厨房の中で特に暑い位置にはスポット空調を行うことも有効です。
(回答日:2024年9月25日)