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当社は電気使用量に削減目標を設定し省エネに取り組んでいます。しかし、受注拡大の結果、電気使用量も増え、目標の達成が困難となっています。このような場合の目標設定の方法を教えてください。
目標設定には、総量削減目標の他に、原単位目標があります。
省エネ活動を行う中で、電気などエネルギー使用量に削減目標を設定し、PDCAサイクルを回しながら取組みを進めることは大変有効な方法です。しかし、総量での削減目標を設定している場合、受注が増えるなどにより事業活動が活発になると、それに伴いエネルギー使用量が増えてしまい、目標を達成できず困っているという話しをよく聞きます。
このような場合、目標として「エネルギー原単位」を用いることをお勧めします。「エネルギー原単位」とは、対象とする企業、建物、設備等の一定期間のエネルギー消費量を同じ期間の活動量で割った値です。ここで活動量とは、工場の生産数量、生産高、店舗の来客数、売上高、ビルの延べ床面積、在室人数など、対象とする企業、建物、設備等の活動の程度を表す値です。エネルギー原単位はエネルギーを有効に利用しているかどうかを測る物差しで、「エネルギー生産性」(の逆数)を評価することができます。
「エネルギー原単位」の削減目標を設定すると、事業拡大でエネルギー使用量が増えた場合でも、効率的に使用する取組みを進めることで原単位は減少し、目標を達成することが可能となります。
原単位を設定する場合、活動量の選定が重要で、対象とする企業、建物、設備等の活動の程度を表しエネルギー消費量と密接な関係を持つ量を採用する必要があります。
図は、ある工場の電気使用量の原単位管理(生産数を活動量として採用)の事例です。毎月の電気使用量と生産数から、単月と累計(期初から当月までのエネルギー消費量の合計を、活動量の合計で割った値)のエネルギー原単位を算出しています。単月だけでなく累計での進捗を毎月把握することで、年間目標達成に向けた現時点の進捗状況を確認でき、適宜、挽回策等の対策を検討することができます。