今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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やっと人材を採用してもすぐに辞めてしまいます。この人手不足の時代、早期離職してはまた求人を繰り返す徒労感は職場にも悪影響です。求人方法や採用に問題があるのでしょうか?
方法よりも「情報ギャップ」が早期離職に影響している可能性があります
転職者が入社後に感じる意識と就業モチベーションへの影響について、その参考となる調査データが厚生労働省ホームページに公開されています。
■ 入社後のギャップの有無
この調査での「入社後のギャップ」とは「自身が転職・就職活動の中で入手した企業の
職場情報と比較し、転職・就職後に働き始めてから知った実際の職場環境との間に自身
にとって不都合なギャップ"があると感じたか」ですが、
「非常にギャップを感じた」+「どちらかといえば、ギャップを感じた」の合計は
・前職正規:61.2%
・前職非正規:58.0%
・前職無業:51.2%
となっており、前職のキャリアを問わず、半数以上が、転職後になんらかの「不都合なギャップがあると感じている」ことが報告されています。
また、本データの基となった調査研究では、「ギャップによる影響」も調査を行っており、
以下が報告されています。
■ 入社後のギャップによる影響
「仕事への満足度や働きがいが低下した」
・前職正規:71.5% 前職非正規:70.0% 前職無業:65.9%
「長期的に働き続ける意欲の低下」
・前職正規:74.3% 前職非正規:71.3% 前職無業:68.3%
※「とても当てはまる」+「どちらかといえば、当てはまる」計
入社後、いくら定着のための研修や面談に時間とお金をかけても、入社後のギャップに
よる意欲低下は、早期離職のきっかけとなりうるものです。その遠因で考えられることは、
求人方法よりも「入社するまで知らなかった」という「情報のギャップ」です。
求人票で自社の仕事・職場・会社の情報を的確に発信することは、求人票の反響を変え・
応募者を集めるだけではなく、入社後のギャップを先取りして埋める効果も期待できます。
そして、
・面接時に職場見学の時間を設ける
・入社前に職場メンバーと顔合わせの機会を設ける
などの選考過程にも、求人票だけではわからない情報を提供する機会があるはずです。
求人から始まる採用選考の一連プロセスで「仕事・職場・会社をよく知ってもらう」こと
も早期離職防止の一つの方策です。ぜひ、ご検討ください。
図表出典:厚生労働省 第7回雇用保険制度研究会 【資料2】
出所:「中途採用を通じたマッチングを促進していくための企業の情報公表の在り方等、
諸課題に関する調査研究」報告書
(回答日:2024年9月9日)