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部門を横断する改善手法として、巻紙分析があると聞いています。どのような手法でしょうか?
巻紙分析の手法を学んで見える化を行って改善します。
巻紙分析は、様々な部門で広く活用できる改善手法です。巻紙分析は、模造紙を使いながら目で見える形で行います。誰でも簡単にできる上に、費用のかからない業務改善手法です。事実をありのままに表すことで、本人に気づきを与えます。
主な進め方のポイントを記します。
・実際に用いた業務日誌、実際に使用した帳票類、報告書を参考にヒアリングを行い、事実に基づいて業務内容・時間をポストイットに書き込み、模造紙上でフロー化を行います。
・伝票等は業務内容が分かる程度に縮小コピーして、模造紙に貼ります。
・気づき事項、問題点、ロス内容、ロス時間を適宜模造紙上に貼ります。
進め方をステップごとに分けて説明します。
ステップ1:対象テーマを決めます
・業務の棚卸をして取組みテーマ(対象の業務)を決めます。
・対象業務の機能(目的)を書き、方向づけをします。
ステップ2:ありたい姿を描きます
・取り組みの背景や必要性からありたい姿を描きます。
ありたい姿とは到達したいゴールのことです。
ステップ3:現状調査
・業務担当者には、業務日誌、実際に使用した帳票類、報告書など事前に準備してもらいます。
・フローチャートで全体のシステムを認識します。
・業務の流れを洗い出します(業務の作業を現実に再現します)。
・その業務にかかわる全員で実施します。
ステップ4:問題点の洗い出し・まとめ
・業務の品質・コスト(時間)・リードタイムなどの視点で考えます。
・書類や帳票の種類と量、仕事の難易度、システムなどの不一致を探します。
・巻紙の中で具体的な問題点を洗い出します。
ステップ5:改善計画の立案
・5W1Hの視点で具体的実行計画を作ります。
・業務の効率化と機能の改善も含めて考えます
ステップ6:改善の実施
・新しいシステムの設計や新しい手順を設定します。
・レイアウト変更やシステム化を進めます。
・目で見える管理などの、自分たちでできる改善を進めます。
<巻紙分析 事例>
上図に巻紙分析の例を示します。横軸に日付、縦軸に部署を記載します。業務の流れに従って、矢印で結んでいきます。一番下に気づき事項や問題点を記載していきます。問題点が分かれば、改善事項を見出しやすくなります。紙に書いて見える化を行うことによって、改善する箇所を見つけ出します。そして改善を実行していきます。
部門を横断する改善は効果が高くなります。他部門からの協力を得て、是非とも改善をして頂きたいと思います。