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昨年8月に契約電力が上昇し、それ以降、毎月の電気料金が上がり、収益を圧迫しています。電力ピークカットにより契約電力を下げるための有効な方法を教えて下さい。
電力ピークカット対策には、電力推移の「見える化」が有効です。
ご質問の状況は、高圧契約時に発生しますので、高圧契約の場合について説明します。
毎月の電気料金は、基本料金と電力量料金の合計ですが、契約電力が上昇すると基本料金が上がります。
契約電力は、過去1年間の最大需要電力(需要電力とは30分単位の平均電力、デマンドと呼ぶ)で決まりますので、ある月に大きな最大需要電力となり契約電力が上昇すると、以後1年間は高い基本料金を払い続けることになります。したがって、契約電力を下げるためには、日頃から電力ピークカット対策を行い、最大需要電力を抑えることが重要です。
電力ピークカットの具体的な対策について説明します。
①電力推移の「見える化」
時間毎の電力推移をグラフ等で「見える化」できれば、電力ピークの発生原因を究明しやすくなり、根本対策を行うことができます。見える化には、データをデマンド監視装置(②参照)から取得する方法と、電力会社から入手する方法(スマートメータが設置されている場合)があります。さらに、自社の保有設備とその消費電力、稼働時間を調査し、電力推移と比較することで、発生原因を究明します。
②デマンド監視装置の導入
デマンド監視装置は、需要電力が契約電力に近づくと警報を発生する装置です。警報発生時には、空調など、事前に決めておいた設備を停止することで、需要電力を抑えることができます。また、停止予定設備を本装置に接続しておくことで、自動停止することもできます。
③空調・生産設備の起動時間の見直し
空調や生産設備は起動時に最も電力を使用します。始業時や昼休み後の複数設備の一斉起動を避け、順次起動を行って下さい。
④生産設備の稼働時間の調整
夏場の空調負荷が大きい昼〜夕方の時間帯に消費電力が大きい設備が多数稼働すると、需要電力が上昇します。設備稼働をできるだけ他時間帯に分散する工夫をして下さい。