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特許で成功した中小企業がマスコミに取り上げられているのを見ると、自社もビジネスに特許を活用できる企業になりたいと考えます。どのようにすれば、ビジネスに特許を活用できる企業になれるでしょうか?
業界のフロントランナーになる努力や、感性を磨く努力が必要と考えます。
本回答では、「ビジネスに特許を活用できる企業」とは、ビジネスに有用な特許を1件取得できる企業ではなく、そのような特許を“継続的に”取得できる企業を指しています。持続的成長なくして、企業の成長はないためです。
まず特許取得の要件(特許庁の審査で求められる要件)としては、特許出願をする発明が、(ⅰ)『出願前に公に知られた発明(外国の発明も含む)』に対し相違点があり(新規性の要件)、(ⅱ)『出願前に公に知られた発明』から容易に思いつかないものであること(進歩性の要件)が必要です。
新規性の要件とは、簡単に言えば、公に知られた中で世界初の発明ということです。また、「発明」は、“現状の問題点”や“ニーズ”の発見から「着想」が生まれ、着想が具体化されたものです。
これらを踏まえると、ビジネスに活用できる特許を継続的に取得するためには、「業界の中で新しいことに取り組んでいること」が必要です。これにより、他社に先んじて、新たな問題点やニーズを発見しやすくなります。また、問題点やニーズの発見に繋がる「有用な情報」を取得する努力や、「有用な情報」が入ってくる状況を作り上げること(例えば、他社が相談したくなるような技術力の高い企業になること)も必要です。総じて言うと、ビジネスに特許を活用できる企業になるためには、いきなりアイデアの検討に時間を割くよりは、業界の「フロントランナー」になる努力をすることが一つの方策と言えます。ここで「フロントランナー」とは、企業規模で上位に入ることを意味するのではなく、活動内容で他社に先んじることを意味します。なお、中小企業にとってビジネスで勝てる土俵としては、ニッチな業界がよいでしょう。
また、優れた発明の着想には、感性の豊かさを感じます。例えば、カッコいいデザインの車椅子がありますが、これを最初に考え出した人は、先入観にとらわれない感性の豊かな人であったはずです。また、イノベーターの要件として、感性や観察力、価値発見力などが挙げられています。そのため、従業員の感性を磨く意識づけも方策です。感性を磨く方法について特定の方法はないと考えますが、ネット検索を行うと様々なコンテンツが出てきますので参考にして下さい。