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海外取引に慣れた人材が社内に不足しており、国内商社を経由した取引(間接貿易)
を計画中です。この取引形態の特徴と直接取引との比較や留意点について
教えてください。
間接貿易の長所と短所を理解して、信頼できるパートナーを探して下さい。
貿易取引をする場合、海外客先との外国語によるコミュニケーション、通関申告や許可取得、海外への船積・海上保険手配、代金決済など、国境を挟んで様々な業務を行う必要があります。このような業務を自社だけで行うことが困難な場合、選択肢のひとつが「間接貿易」となります。
上記業務の全部又は一部を、国内商社等を通じて行うもので、海外客先から見た契約相手(商流、物流の当事者)は国内商社等になるので、貴社は海外向製品の開発や調達に
専念することができます。国内商社とは原則国内取引となるので、煩雑な貿易実務の必要もなく、国内取引が円建てとなる場合は貿易に伴う為替変動リスクも回避することができます。特定の国や市場を得意とし有望な顧客候補をもつ商社等であれば、自社だけでは開拓できない販路開拓が短時間でできる可能性がでてきます。
一方、留意すべきは上述した業務やリスクは消滅した訳ではなく、商社等が代行しているに過ぎず、そのコストは商社マージンという形で、商談成否や貴社製品の海外市場での
価格競争力、販売台数に影響します。又、海外客先との間に商社等が入ることにより、客先の考えや市場情報に直接アクセスしにくくなる点にも注意が必要です。
仮に貴社が海外に出張し、目の前の海外企業が貴社製品に興味を示して引合いを出しても、
価格を含めた詳細な取引条件を自から提示することは原則できません。商社等が取引・契約の当事者であり、商社マージンを貴社がコントロールすることは一般的に困難な為です。尚、商流や物流が商社等経由になっても、日本の安全保障貿易管理に伴う情報提供や輸出先国での法規制への準拠、最終的な品質責任など、製品そのものについては、貴社が免責になることは少ないので留意ください。
このように間接貿易には一長一短があり、貴社の状況や商談の実態に合わせ、取引形態を決めてください。間接貿易にする場合、貴社製品を真剣に担いでくれる信頼できるパートーナーを探すことが重要となります。