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既存顧客の海外シフトとコストダウンのために海外に法人を設立したのですが、現地で新たに販路開拓して新規顧客を開発するにはどのような方法が効果的でしょうか?
海外での展示会や商談会を活用し代理店やエンドユーザーへの直接提案が効果的です。
中小企業が海外事業展開を行うときはほぼ3通りの目的に分けられます。
① 主要取引先の海外シフトに追随して取引継続を確保するため現地生産を展開する
② コスト競争力を高めるため人件費の低い国で持ち帰り生産を行う
③ 国内市場が先細りして成長発展が望めないため海外の新規市場・顧客を開拓し拡大する
①と②の段階では、縮小する国内市場に対してコスト対応で需要確保を実現する海外展開であるのに対し、現在では③の目的で海外に進出する企業が増えています。成長著しい海外市場で需要を取り込み、企業全体で成長発展を目指す積極的戦略にシフトしてきています。
もっとも販売先がほぼ日本国内の既存市場や顧客に対応するための①や②の段階に対し、③の事業展開ではより戦略的に現地での販路開拓による新規顧客開発を進めていくことが必須です。日本の中小企業は、一般的に技術力や対応力で得意先から信頼を得て継続的に受注してきた経緯がありますが、一方、新たに海外で新製品を委託生産や開発を進め、現地の市場ニーズに合致した競争力を強化し市場・顧客を開発する販売体制は弱いといえます。
海外で新規に顧客開発を行うには、単に待っているだけでは顧客はやってきません。自ら積極的に販売代理店などのパートナーや、生産や開発の委託協力事業者、部品加工の調達先などを探し出す活動が重要です。海外現地での日系社会はある意味濃密で狭い特徴があります。商工会などコミュニティを通じた紹介や口コミを利用して新規顧客と接触することもできますが、海外で最も効果的な顧客開発手法は、現地での展示会や商談会を積極的に活用することです。また最近ではSNSやマッチングサイトを活用したWEBマーケティングにも取り組んでいくと効果があります。ターゲット顧客とのコンタクトの場を意識的に作り出し、顧客のお困りごとを解決する提案力によって関係性を強化していくアプローチが重要です。
(回答日:2024年10月31日)