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自社の賃金水準が世間水準と比べて適正なのかを知りたいc

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  • 自社の賃金水準が世間水準と比べて適正なのかを知りたいc

    わが社の賃金は、勤続年数や職務などを考慮して個別に決めています。今後も従業員に意欲を持って働いてもらうためにも、わが社の賃金が世間水準と比べてどうなのか、どんな問題点があるのかを知りたいと思います。

    個人別賃金の散布図の作成により、適正水準の分析ができます。



     従業員の個人別賃金の散布図を作成することで、適正水準の分析ができます。散布図はパソコンの表計算ソフトの進化により、簡単に作成できるようになりました。
     散布図は、少なくとも基本給、所定内賃金、月収の3種類を作成します。基本給では賃金体系の分析、所定内賃金では世間水準との比較、月収では手当などの賃金を含めた総合的な水準の分析ができます。
     最初に基本給の散布図を作成し、賃金の基本的な構造がどうなっているのかを分析します。年齢や勤続年数で全体的にどのように賃金が変化していくのか、同じ年齢や勤続年数での格差がどのくらいあるのか、男女、役職などでの賃金水準の違いはあるのかをチェックします。
     次に所定内賃金の散布図を作成し、世間相場との比較を行います。まずは標準生計費との比較です。賃金は従業員にとって生活の糧ですので、ある程度生活がまかなえる水準になっていることが大切です。指標としては、人事院から毎年発表されている標準生計費を使います。地域、企業規模、業種、職種の世間相場との比較には、厚生労働省から発表されている賃金構造基本統計調査の数値を使います。政府統計の総合窓口であるe-StatのWebサイトからデータのダウンロードができます。
     最後に月収の散布図を作成し、総合的な水準分析を行います。役職手当、時間外手当などの諸手当を含め、職種や役職などの賃金水準の格差が適切かをチェックします。
     以上の分析によって、自社として意図すべき分布になっているのか、是正する箇所はないのかなどを見ていきます。さらに賞与、退職金、年収などの散布図を作成する場合もあります。問題点が見つかったとしても、すぐ是正するのは原資の確保の点から難しい場合があるとは思いますが、今後の自社の賃金制度の改定の方向性をつかむだけでも意義があります。

    散布図(所定内賃金)

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