今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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当社は自社製品を日本国内のみで販売していましたが、取引先からの紹介で中国・台湾企業に販売することになりました。海外企業との取引は初めてです。取引を進めるにあたって、どのような点に注意すべきでしょうか。
取引に対する考え方の違いを踏まえた対応をする必要があります。
日本のメーカーが中国・台湾企業に自社製品を販売する場合、先方から以下のような要望を受けることがあります。
① もう引き合いが来ているのですぐに納品してほしい!
② 大量に販売する自信があるからうちだけに売ってほしい!
③ 中国・台湾の販売先と交渉するために、当社に委任状を出してほしい!
④ 製品説明用のパンフレットを提供してほしい!
いずれもトラブルになるケースが多い申し出です。
例えば、①納品したは良いが代金が支払われない、②独占販売契約を締結してしまい他ルートで販売できなくなってしまう、③内容をよく確認せず中国語の委任状にサインしたことで、独占販売代理店として勝手に交渉を進められてしまう(応じることができない販売条件で勝手に契約されてしまう)、④パンフレットを改変して、あたかも自社製品のようにアピールされるなどのトラブルが考えられます。
このようなトラブルは、日本企業と中国・台湾企業の取引に対する考え方の違いから生じるケースが多いように思います。そこで、認識を共通化するために、取引開始前に秘密保持契約書、納品前に売買契約書を締結するといった対応をすべきです。
もっとも、契約書は、ただ作れば良いというものではありません。
起こりうるトラブルを想定して、許容できないリスクが生じないように条文化しておく必要があります。弁護士と相談しながら契約書を作成することで、リスクとその度合いに気付き、先方と交渉すべき事項がクリアになるというメリットがあります。
また、交渉の際には、許容できない条件には「No!」とハッキリ意思表示すべきです。
こうすることで当方の要望が案外あっさり受け入れられたり、反応や回答内容をみて先方がどのような会社かある程度判断することができることもあります。