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当社商品について中国からの引き合いが増えています。越境ECで中国に販売しようと思いますが、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、中国で越境ECを行うためにはどのような要件が存在するのでしょうか。
日本でイメージする越境ECと中国の法規制との違いに注意する必要があります。
1.中国越境ECのメリット
中国へ商品を輸出するにあたり、以下のようなメリットがあります。
(1)法定検査が不要
法定検査対象商品に該当する場合でも、通関書類(売買契約書、インボイス、パッキングリスト、船荷証券等)の提出が不要になります。これにより、通関書類の提出が困難な小売業者の方も越境ECに参入しやすくなります。
(2)新規輸入時の審査認可等が不要
新規輸入審査認可等が必要とされる商品についても、同認可等を要することなく輸出が可能になります。これにより、化粧品や保険食品等、中国において輸入認可等を得ることが困難な商品についても、中国に輸出販売することができます。
(3)軽減税率の適用
暫定的な措置として、関税が0%、増値税及び消費税が70%(30%の減税)に減額されるという税務上の優遇措置もあります。
2.中国の越境ECに該当するための要件
現在の法律(2019年1月1日時点)を前提にすると、①中国国内で登記を行っている会社が運営する越境ECプラットフォームを利用すること、②ポジティブリスト(1321種類)の商品に該当し、かつ、個人使用目的であること、③税関が取引、支払い及び物流の電子情報を監督管理できるルートを経由すること等の要件を満たす必要があります。
また、越境ECには、原則として、1回の取引金額が5000元以内であり、かつ、個人の年間取引金額が2万6000元を超えてはならないという制限があります。
3.中国向け越境ECを行う際の注意点
日本で「中国向け越境EC」というと、日本企業の自社運営サイトを通じた中国企業への商品販売も含まれるような印象を持ちますが、このような取引は中国法における越境ECには該当しません。また、「代購」(バイヤーによる代理購入)についても、個人使用目的に該当せず、越境ECの要件を満たさない可能性があります。
このように、日本でイメージする中国向け越境ECは、中国の法規制の内容と異なっている場合があるため、越境ECを行う際には注意する必要があります。