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業績を良くし、改善するために日々の経営数字から会社の状況を把握して次につなげるヒントが欲しいです。何か良い方法はありませんか?
財務分析を通じて自社の状況把握、計画的な経営を行いましょう。
①期間比較分析
通常3期程度のB/S、P/Lを比較します。B/Sでは資産と負債・流動資産と固定資産のバランス、手元資金の悪化、未回収の売掛債権・売れない在庫等の滞留状況、子会社・親族への貸付、借入金の増減傾向など、推移から具体的な数値で会社の変化に気付くことができます。P/Lからは業績の好不調がどの項目によるものかを把握していきます。
②細分化分析
分析する要素を細分化し、より詳細な会社の強み・弱みを把握します。
小売・卸売業なら、客数・客単価・坪単価別、店舗別、日々・週・月次別などで分析し、イベント、天候による要因も記録します。製造業なら、製品別(品番別)、地域別、事業の種類・部門別、工程別、得意先別などで分析します。
③他社比較分析
同業の上場会社は良い手本であり貴重な情報源です。粗利率や営業利益・経常利益率の水準、自社と比較した相違点などからヒントを得ます。
④比率分析
売上に対する粗利・営業・経常・純利益の率、前期売上に対して当期売上が何%増減したかを把握できる売上高成長率、固定費÷{1-変動費率(=変動費÷売上高)}で求める損益分岐点分析が売上に関連する代表的な比率分析です。
また、売上月商に対する売掛債権の割合、月次の売上原価に対する在庫割合、売上月商に対する現預金、借入金の割合から、滞留状況や手元資金余裕度、負債依存度を把握します。インタレスト・カバレッジ・レシオという、借入金などによる利息支払の営業利益に対する水準を測る分析も有効です。
課税所得圧縮と損金算入を意識しすぎた結果、必要以上のコスト増(過大な設備投資・保険加入・デリバティブ投資など)で資金不足や利益減少、繰越欠損金の増加、自己資本の棄損などを招くケースをよく見かけます。会社経営は永続してこそ、キャッシュや利益が安定して生まれるバランスの良い経営を心掛けてください。