今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
詳細画面から専門家に、メール相談や直接会っての面談などを申し込むことができます。
飲食店を経営していますが、省エネを進めるにはどのような方法がありますか。
来客状況や調理状況に照らしてムダを見つけ、まずは運用改善をしましょう。
一般に、飲食業においては電気の使用量が最も多く、エネルギー使用量の約80%を占めています。そしてガス、水道と続きます。用途別では厨房関係、空調、照明の3つで大半を占めています。ここでは設備投資が難しい事業者でも取り組めるよう、既存設備の使い方を工夫する「運用改善」を中心に説明します。
まずはエネルギー使用量を把握しましょう。毎月の電気やガスの検針票からエネルギーの使用量をグラフ化します。さらに少しの投資は必要ですが、モニタリング装置をブレーカーに取付け、1日の時間単位での電力使用量を計測し、グラフ化すれば、より詳細に「いつ」、「何に」、「どれくらい」使用されているかがわかります。そして店舗にある設備の現状を調べます。具体的には定格消費電力いくらの設備がどこに何台あるかを整理します。
次に、お客様の来店状況や調理している時間をエネルギー使用量のグラフと重ね、設備の不適切な運転状況(ムダ)を見つけて改善していきます。用途別の主な改善ポイントを以下に述べます。
1.空調
①空調設定温度の適正管理(客室と厨房でルール化、可能ならば湿度設定も)
②空調運転時間の短縮(場所毎にこまめに見直す。窓や送風運転も有効に活用)
③空調のフィルターの清掃(清掃頻度を増やす。)
④冷暖房期の外気取り入れ量の管理(作業環境が悪くならない程度に外気取り入れを削減)
⑤室外機の遮光(遮光する際に空気の入り口をふさがないように注意)
⑥断熱・遮熱(窓からの熱の伝わりを防止、遮光フィルム、緑のカーテン)
2.照明
①照明点灯時間の短縮(不要な箇所の消灯、昼間の自然採光、トイレ等の消し忘れ防止)
②適正な照度の維持(照明の間引き、部分照明、ランプ・シェードのこまめな清掃)
3.厨房関係
①冷凍・冷蔵庫(ドアの開閉回数の削減、パッキンの破損確認、フィルターの清掃、
庫内の詰め過ぎ・片詰め回避、温かい食材は冷ましてから入庫)
②給湯器(適正温度、湯沸かし器の口火はこまめに消す)
③ガスコンロ(鍋類は水滴を拭き取る。炎の色を点検、空気口・バナーの目詰まり清掃)
④グリル・フライヤー・オーブン(日々の点検、温度チェック、清掃)