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海外との取引を検討しています。代金の支払いや回収にはどのような方法があるのかを知りたいです。また代金決済をする際の注意点についても知りたいです。
海外取引での代金決済は様々な方法があり、取引形態にあったものを選ぶことが重要です。
海外取引における代金決済は、距離的な問題もあるためトラブルが発生した際には回収が困難になってしまいます。このため、海外ビジネスを行う際には交渉段階から相手先の信用状態を知ることを意識し、代金決済でのリスクを軽減することに留意することが必要です。
貿易を行う際の決済方法として、銀行が代金の取立てに介在するL/C(信用状)やD/P(手形支払時船積書類渡し)、D/A(手形引受時船積書類渡し)といった決済方法があります。特にL/C決済は安全な方法ですが、銀行間の保証が介在するため当事者は銀行から与信を提供されている必要があります。
また、送金で決済をおこなう銀行の電信送金(TT送金)・小切手送金・郵便送金を活用したり、国際郵便為替で送金決済をする方法もあります。送金決済では、前払い・後払い・分割払い(契約時〜貨物到着時など)を相手先との交渉によって決定する必要があります。送金決済では当事者が輸出側(売主)ですと取引の出来るだけ早い段階での決済、輸入側(買主)ですと取引の出来るだけ遅い段階を目指します。相手先の信用状態に不安があるなら、自社に有利な決済条件を受諾させるべきです。また自社側のリスクを軽減するために(独)日本貿易保険の貿易保険や損保会社等が提供する取引信用保険の付保、銀行から前受金返還保証状を入手するという方法もあります。また、相手先の信用状態を知るには民間の国際信用調査機関への問合せも検討すべきです。
最近ではクレジットカードや海外口座を使って、海外との小口の代金決済を行う事例も増えています。しかし、決済代行業者を使っての海外決済はまだトラブルも多く消費者庁が注意を呼び掛けているなど、導入時には安全性(追跡方法の確保など)に留意することが必要です。