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震災以降、電気代、燃料代が値上げされ、収益を圧迫しています。企業として継続的に省エネに取組む場合のポイントについて教えて下さい。
貴社にあった全員参加の取組みを推進して下さい。
企業において省エネを有効に進める上で最も重要なのは、経営者が率先して全員参加の取組みを推進することで、基本的には現場改善と同じです。既存の改善活動の体制があれば、その中に省エネ活動を組み込んで下さい。
また、取組みを継続するためには、PDCAサイクルの仕組みを構築することが不可欠です。独自構築の他、ISO14001、エコアクション21などの活用を検討して下さい。
省エネ推進のPDCAサイクルのステップは以下の通りです。
①経営者の意思決定と組織化
②エネルギー使用実態の把握
③省エネルギー目標の設定
④対策立案と実施計画の策定
⑤対策実施とエネルギー使用実績の把握
⑥取組み効果の確認と是正 →③へ戻り、繰り返し。
以下、各ステップのポイントを説明します。
①経営者の意思決定と組織化
・経営者は取組み方針を示し、全社的な省エネ推進組織を構築する。
・推進組織は、経営活動と一体化できる仕掛けがポイント。
②エネルギー使用実態の把握
・料金伝票、電力・ガス会社HP等から使用量を把握しグラフ化する。
・「エネルギーマップ」(設備ごとの電気、燃料使用量をまとめたリスト)を作成する。
③省エネルギー目標の設定
・エネルギー実態を踏まえ、活動がより活性化する目標値を設定する。
・全社目標を従業員に身近な組織別などの個別目標に展開する。
④対策立案と実施計画の策定
・社内の衆知を集めるとともに、書籍、HP、セミナー等の外部情報を活用する。
・実施可能性、経済性評価や諸事情を勘案し、実施の優先順位付けを行う。
⑤対策実施とエネルギー使用実績の把握
・できるだけ計測器を用いて、対策実施による削減効果を「見える化」する。
・デマンド監視装置、携帯型計測器、エネルギーデータ収集システムの活用を検討する。
⑥取組み効果の確認と是正
・エネルギー使用量や原単位、コストの実績を把握し、目標や計画と比較する。
・「階段チャート」、「BAチャート」などの各種ツールを活用する。