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従業員から未払残業代を請求されました。どのような点に注意して対応をすればよいでしょうか。
従業員の請求が法的に妥当であるのかの見極めと、他の従業員への波及に注意しましょう。
従業員から未払いの残業代があると主張された場合、まずは当該請求額が妥当なものであるのかについて慎重な検討が必要です。
具体的には、そもそも、残業代の消滅時効は3年ですので、消滅時効が完成しており請求できないはずの期間の残業代を請求していないかを確認する必要があります。
また、従業員が残業をしたといっている時間は労働時間に該当するのかどうか(労働時間とは、従業員が使用者の指揮命令下に置かれている時間であると考えられており、自主的な研鑽のために社内にいた場合などは労働時間にあたりません)、仮に労働時間に該当するとしても、タイムカード等の証拠を踏まえて、その時間帯に労働をしたと認定できるのかについて、慎重な検討を要します。
さらに、残業代の基礎となる賃金単価が適正かどうかについても確認し、過大な請求となっていないかを確認する必要があります(なお、残業代の基礎となる賃金から除外されるものについては、労働基準法第37条第5項をご参照ください)。
このほか、仮に未払いの残業代を支払う場合であっても他の従業員に波及しないように、支払金額の根拠を明確にして安易に解決金名目で支払いをしないことや、口外禁止の合意を検討することも考えられます。
いずれにしても、当該従業員の主張に対する対応という視点のみならず、自社の労務管理全体の問題であるという視点も忘れないようにすべきと考えます。
(回答日:2026年2月27日)