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従業員が、うつ病などになった場合の対応の必要性

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  • 従業員が、うつ病などになった場合の対応の必要性

    従業員が最近、悩みを抱えているように思います。うつ病等は、なかなか外からは分からないことも多いのですが、何か会社として対応する必要はあるのでしょうか。

    従業員の方のメンタルヘルス対応は、使用者に課せられた義務ですので、しっかりと対応しましょう。


    1 使用者に課せられている安全配慮義務
     使用者には、労働者が労務提供を行うに際して、生命、身体及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務=安全配慮義務が課せられており、労働契約法5条に明記されております。
     その具体的な内容としては、①安全な作業環境整備、②安全教育の徹底、③適正な人員配置整備、④健康状態の把握・管理、⑤労働時間等の適正化、⑥治療を受けさせる等の適正化などが挙げられます。
     したがって、従業員の方のうつ病等のメンタルヘルスについては、使用者である会社は、しっかりと対応する法的義務が存在します。
     そして、この法的義務を怠った場合には、過労自殺、精神疾患に基づく自殺等が発生しかねず、その結果、多額な損害賠償請求をされるリスクもあり、また、場合によっては刑事責任を問われかねません。

    2 メンタルヘルス対応に関する注意点
     まずは、従業員の方の求められる訴えを真摯に聴き取ること、また、異変がないかを常に意識することが必要です。そのような場合には、長時間残業がないのか否か、職場環境に問題点がないのか否か、休職をした方が良いのか否か等を客観的に検討する必要があります。この検討・対応に際しては、外部の専門家(カウンセラー、社会保険労務士、弁護士等)に相談することで、改善することも多いので、そのような外部の専門家の協力を求めることも有効な手段です。
     なお、他方で、残念ながら、メンタルへルス問題から労働事件が発生することもありますので、従業員の方のメンタルヘルスを対応する際には、しっかりと対応を記録して、証拠を揃えることは、将来の労働紛争に際しての客観的な事実を残す観点から重要なことです。
     何よりも、トラブル予防のためには、従業員の方が活き活きと働ける職場環境を維持できるようにするためにはどうすれば良いのかという視点を忘れないことが重要です。

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