大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

震災による損害の賠償請求について

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  • 震災による損害の賠償請求について

    東日本大震災により原子炉から大量の放射線が漏れ出し(以下「本件事故」といいます。)、近隣で納豆を製造・販売している事業者に巨額の風評被害が発生しました。風評被害も損害賠償の対象となりますか。

    本件事故と相当因果関係が認められる範囲内では風評被害も損害賠償の対象となります。


    1 損害賠償の範囲
     事故と「相当因果関係」のある範囲内の損害については、加害者は賠償責任を負うのが一般的です(民法709条、710条)。
    2 風評被害
     「風評被害」については、事故との「相当因果関係」の有無及び範囲が不明瞭であるという問題はありますが、報道等により広く知らされた事実によって商品又はサービスに関する放射性物質による汚染の危険性を懸念した消費者又は取引先により当該商品又はサービスの買い控え、取引停止等をされることは一般に肯定されているところであり、したがって、風評被害も、一定の範囲では賠償請求の対象となるといえます。
    3 裁判例
     この点、平成11年9月に発生した東海村JOC臨海事故に起因した「風評被害」に関する事案ではありますが、東京地方裁判所平成18年4月19日判決は、「事故現場から10キロメートル圏内の屋内退避要請地域にある本社工場を『生産者』と表示した原告の納豆製品の危険性を懸念して、これを敬遠し、取扱いを避けようとする心理は一般に是認できるものであり、それによる原告の納豆製品の売上減少等は、本件臨海事故との相当因果関係が認められる限度で本件臨海事故による損害として認めることができるというべきである」と判示して、事故の発生から2ヶ月間の売上減少(風評被害)につき賠償責任を肯定しています。
    4 本件事故の場合、どの程度風評被害が継続するのか現時点で明瞭ではありませんが、被害者側としては、本件事故の影響で売上減少等の被害が生じているといえる客観的資料の収集や分析を行った上で、適切な賠償を求めてゆくべきであると思料されます。

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