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自社製品をオークションで落札した方から、製品の欠陥により損害を被ったとして製造物責任法による損害賠償請求をされました。オークションで取引された製品は、最初の購入者が使用後の中古品ですが、当社が同法による損害賠償義務を負うことはあるのでしょうか。
製造物責任法に基づく損害賠償が必要な場合があります。
製造物責任(PL責任)とは、製造物の「欠陥」により人の生命、身体又は財産に係る被害が発生した場合に、その製造業者、加工業者、輸入業者等に対して損害賠償義務を負わせるものであり、どのような場合に責任があるかは、製造物責任法(PL法)に規定されています。「欠陥」とはその製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、一般には、設計上の欠陥(製品の設計自体が安全性を欠く場合)、製造上の欠陥(設計や予定された仕様と異なって製造された場合)、指示・警告上の欠陥(製品に付属して提供すべき適切な指示・警告を欠く場合)の3つに分類されます。
オークションに出品され落札されている今回の製品は、市場で最初に購入した方が使用された後の中古品であるようですが、中古品であっても、PL法にいう「製造物」に変わりありません。したがって、請求者の方の指摘する欠陥(たとえば、設計や製造の過程で起きた欠陥であること等)が立証されれば、製造業者としての損害賠償義務を負担しなければならない場合があります。
実際、前の使用者の使用状況(製品によっては変更・改造の有無等が問題となる場合もあります。)等の状況が確認しがたいため、発生した事故が製品のもともとの欠陥によるものであったことの立証は、請求側にとって新品の場合より若干難しい場合も考えられます。
しかしながら、中古品の場合であっても、PL法により、製品の欠陥によって生じた損害について損害賠償請求を問われる可能性があることは新品の場合と異なりませんので注意が必要です。