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今まで、企業に対して、素材を受注生産で提供してきました。素材の受注生産では、価格競争に陥りやすいことから、値引きの要求も厳しく、売上が減少傾向にあります。そこで、今後は付加価値の高い最終製品の生産販売に取り組んでいこうと思っています。留意すべき点について教えてください。
生産、販売の形態が大きく変わることに留意してください。
素材の受注生産から、最終製品の生産販売に転換されるということですね。これによって、大きく変わる点が三点あります。一点目は、お客様が法人から一般消費者へ変わるということ、二点目は、受注生産から見込生産に変わるということ、三点目は、商品の販売ノウハウ、コストが必要になるということです。順にご説明しますね。
1. お客様が法人から一般消費者へ
不特定多数の人の集まりである一般消費者のニーズは多種多様です。合理的理由にもとづいて購買する法人顧客のニーズとは違って、一般消費者のニーズは嗜好や感性に左右されやすく、またニーズ自体が変化しやすいという特徴があります。一般消費者向けの商品開発では、このような消費者特性を踏まえて、どの消費者グループにターゲットを絞るかが大きなポイントになります。ターゲットの絞り込みが不十分であると、どんな消費者のどんなニーズに合わせるのか、商品開発の方向性が不明確になる恐れがあります。
2. 受注生産から見込生産へ
今までの受注生産から見込生産へと変わります。受注生産では、納期に間に合うように生産していれば全数販売できましたが、見込生産では販売見込計画を立案して生産し、自社で在庫を保管することになります。在庫が過小であれば、注文に対して欠品となり、販売機会ロスになりますし、在庫が過大になれば、売れ残りのリスクがあります。見込生産では、こうしたことを考慮して、最適な販売見込計画を立案する必要があります。
3. 商品の販売ノウハウ、コストが必要になる
法人向けの受注生産では、受注分を納品して終わりでしたが、一般消費者向けの販売では、想定するターゲットのお客様に向けて、自社が生産した商品をどこで販売するか、どのように購買の促進を行うかを考える必要があります。購買の促進については、想定ターゲットのお客様が買う気になるように、商品の特徴や価値を効果的に知らせていくことが必要です。具体的には、ネーミング、デザイン、パッケージや販売促進について立案、実施を行います。今後は、こうした販売のノウハウを蓄積していくことが必要です。