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海外出願は国内出願と比較して費用が高いと思いますが、権利の取得の要否をどのように決定したらよいですか?
海外での知財取得は、事業戦略や市場性を踏まえた判断が必要です。
それぞれの知的財産権における海外出願の要否については下記のとおりです。
1.特許
事業面: 自社の技術や新製品をどこの国で用いて、販売するのかをはっきりさせます。販売国はもちろんですが、製造拠点でも特許権を取る意義があります。
市場面: 進出先の市場規模や需要を見ます。市場規模や需要の見込みが小さい場合は、販売国であっても費用対効果を考慮して特許権の取得を見送ることも検討します。
法制度: その国の特許制度や権利の守られ方を確認します。例えばプログラム系やビジネス系の技術は国によって保護される場合とされない場合があります。
費用面: 海外の特許出願のコストとして大きいのが翻訳費用と海外代理人の費用です。これらの費用は国によって大きく変わります。従って、国ごとの費用も考慮して特許権の取得の有無を検討することが重要です。
2.意匠
デザイン面: 製品の外観が競争力の中心である場合、意匠権による保護の重要性が高くなります。
市場面: 市場規模や需要だけでなく、デザインに起因する需要があるかも含めて意匠権の取得の要否を検討すべきです。
法制度: 国によっては、複数意匠をまとめて保護する制度や、部品の一部分を保護する制度の有無が異なります。各国の意匠法の保護範囲を確認し、御社のデザインを有効に保護できる国で意匠権を取得することが効果的です。
費用面: 意匠は特許に比べて出願費用が安いことが多いため、製品の外観に技術的特徴がある場合は、特許権の代わりに意匠権での保護を検討することも有効です。
3.商標
ブランド面: 日本と同じ商標で海外展開する場合でも、日本とは異なる商標で海外展開する場合でも、商品またはサービスのブランド力を高めたい場合は商標権の取得を検討すべきです。
模倣リスク: 先願主義の国では他者に先に出願されると貴社が商標権を取れない場合があります。模倣が多い国では特に早めに商標を出願して権利化することが重要です。
その他: 特許や意匠と同様に、法制度や費用面も重要な検討事項です。
(回答日:2025年10月6日)