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脱炭素経営では、CO2排出量を削減するとともに、企業の売上・利益アップにつなげる必要があります。具体的にどう取り組めばよいのか教えてください。
脱炭素化を事業戦略・商品戦略・生産戦略と結び付けましょう
脱炭素経営を自社のみのCO2排出量削減と捉えるのではなく、ライフサイクル思考で事業戦略・商品戦略・生産戦略を見直し、売上アップ・コスト削減を実現する中で、結果としてCO2排出量が削減できるように取り組むことが重要です。主な取り組み策を紹介します。
1.事業ポートフォリオの見直し
サプライチェーン全体のCO2排出量の多い事業を縮小し、少ない事業を拡大することで、売上を伸ばしながらCO2排出量を削減します。
2.ビジネスモデルの見直し
モノの製造販売からサービス提供(価値提供)へ転換することで、サービスの売上を拡大し、生産段階でのCO2排出量を削減します。
3.個別製品の設計見直し
製品の小型化やリサイクルしやすいように設計した製品の販売を拡大することで、製品の使用段階でのCO2排出量を削減します。
4.製造プロセスの見直し(生産性向上・品質向上によるコスト削減)
1)労働生産性の向上
従業員の生産性を向上させることで残業時間を減らし、照明・空調等の省エネを図ります。
2)設備生産性の向上
設備能力とエネルギー使用量が比例するようにし、設備生産性を向上させて、稼働ロスを削減することで、省エネを図ります。
3)資源生産性の向上
端材の削減等により、製造工程内の廃棄ロスを削減することで資源生産性を高め、原材料仕入量を削減します。
4)品質向上
歩留まり改善や不良削減を行うことで、品質改善を図り、無駄なエネルギーや原材料の使用量を削減します。
5.低炭素商品の開発・販路拡大
機能性が高く、お客様が使用する段階でのCO2排出量が少ない低炭素商品を開発・製造し、販路を拡大することで、売上を伸ばすとともにサプライチェーン全体でのCO2排出量を削減します。
(回答日:2025年10月8日)