今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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起業と同時に海外への販売を考えています。海外市場規模の大きさは魅力的ですが、英語が得意でないので不安もあります。まずは国内販売に注力した方がよいでしょうか?
海外取引特有の留意点を押さえて進めれば両立できます。
海外取引(輸出)を国内販売の延長と見なす柔軟性は、起業には重要な要素です。例えばASEAN10か国のGDPは2023年時点で日本の9割程度にまで成長してきました。今後も成長する市場の1つです。
ただ、日本国内向け販売と違う留意点があるので、きちんと準備しましょう。
1.法令(規制、規則)が違う
国や地域が違えば法律や商慣習が違います。これを守らないと現地で販売できなくなるのが
法令です。事前の準備で自社製商品が法令遵守しているか、必要な対応をしているか、確認
します。ジェトロの国別情報一覧が有用です。
https://www.jetro.go.jp/world/
2.通関(書類、手続き)がある
通関に代表される、貿易ならではの手続きがあります。国内商社に販売する間接輸出ならば
不要ですが、自社が輸出者となるならば貿易実務という手続きを覚え、実際に書類を作る必
要があります。貿易には必ず、HSコードと呼ばれる製商品ごとの関税分類番号が必要とな
ります。これは上6桁が世界共通の番号システムです。HSコードの代表的な調べ方は、
1)税関サイトで調べる
輸出の場合→ https://www.customs.go.jp/yusyutu/
輸入の場合→ https://www.customs.go.jp/tariff/index.htm
2)日本関税協会のツールで調べる
輸出の場合→ https://www.kanzei.or.jp/statistical/expstatis/top/index/j
輸入の場合→ https://www.kanzei.or.jp/statistical/tariff/top/index/j
、の2つがあります。
3.言語、決済(通貨、回収リスク)が違う
英語が得意でないならば、生成AIや自動翻訳ツールを活用すると外国語テキストの読み書き
ができます。会話が必要な場合は通訳を手配します。
日本円以外での決済可能性もあります。米ドルなど日本円以外の通貨は金利が高めなので、
売上日より後の入金の場合には金利を見込んだ価格設定をします。
代金回収リスクに備え、事前の信用調査をしっかり行い、日本貿易保険を利用することも考
えましょう。
日本貿易保険 https://www.nexi.go.jp/
(回答日:2024年9月2日)