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家庭や店舗に設置して電気とお湯が同時に作れる燃料電池というものがあると聞きました。燃料電池とはどのようなものですか?また、省エネには効果がありますか?
水素と酸素を反応させて電気を作り出す装置です。排熱の利用で省エネになります。
1.発電の原理
燃料電池は、学校の理科の時間で学習する「水の電気分解」の逆の反応により、電気を作り出します(以下の化学反応式参照)。
2.燃料電池の仕組み
燃料電池本体は板のようなものがたくさん積み重なっています。これを「セル」と呼びます。一つのセルには、他のセルと区画するための「セパレータ」(内側を水素や酸素が通る仕切り)が両サイドにあり、その間に「燃料極」「電解質」「空気極」が挟まれています。そのセルをたくさん積み重ねることによって必要電圧を得ます。
3.燃料電池の種類
燃料電池は、燃料極と空気極間をイオンが移動するための電解質の違いにより、固体高分子形(PEFC)、リン酸形(PAFC)、溶融炭酸塩形(MCFC)、固体酸化物形(SOFC)などに分けられます。住宅用や小規模店舗用としてはPEFCとSOFCが開発されており、都市ガス等の燃料ガスを付随している改質器で水素に改質し、反応用の燃料(水素)として利用しています。
4.省エネ効果について
燃料電池の発電効率は、PEFCが30~40%、SOFCが40~65%であり、従来の火力発電の効率と同等か少し高いレベルです。また、燃料電池は発電する際に熱を発生します。家庭用や店舗等業務用に開発された燃料電池システムは発生した排熱を利用できる貯湯ユニットを備えており、熱を無駄なく利用すると総合効率は90%程度となります。
したがって、電気と共に暖房やお湯を使う住宅や店舗に設置すると、大きな省エネ効果が期待できます。
(回答日:2024年9月25日)