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新しいビジネスモデル(ビジネス方法)を考えました、他社に模倣されないように特許を取得したいと考えています。どのような場合に特許を取得できるのでしょうか?
ビジネスモデルで利用するソフトウェアについて、特許を取得できる可能性があります。
「ビジネスモデル特許」との言葉があるためか、「特許によってビジネスモデルは保護できますよね」との質問を受けることがあります。しかし、特許によってビジネスモデルそれ自体を保護することはできません。“ソフトウェアを利用するものとして考え出されたビジネスモデルの発明”に対し付与された特許が、「ビジネスモデル特許」と呼ばれています。ソフトウェアを利用しないビジネスモデルは、特許によって保護することはできません。
その上で、特許を取得するためには、通常の発明と同様に、特許法で定められた要件を満たす必要があります。代表的な要件としては、①新規性の要件と②進歩性の要件があります。①公知の発明に対し相違点があり、且つ、②その相違点が容易に思いつかないものである場合、この2つの要件を満たすことになります。
具体的に説明しますと、ビジネスモデルの内容は、何らかの手順をもって表すことができます。ソフトウェアを利用する場合も同様です。例えばシェアリングビジネスの場合、ユーザが携帯端末などからシェア対象物の申込みを行い、事業者がユーザの申込みを受け付けるという手順を経て、取引が成立します。ビジネスモデルの発明は、ソフトウェアによる情報処理の手順を表現する必要があり、その表現によって具体化された発明について、①新規性の要件と②進歩性の要件の両方を満たすことが必要になります。なお、特定分野において人が行っている業務をシステム化しただけの発明は、新規性の要件は満たしても、進歩性の要件を満たすことはありません。
ビジネスモデルについて特許出願をするためには、ソフトウェアによる情報処理を「フローチャート」に表すことが必要です。また、出願書類には、①従来の問題点、②問題点に対する課題(目的)、③課題の解決手段(発明)を記載することが必要となりますので、特許出願の準備にあたってはこれらの整理が必要となります。