大阪の中小企業支援機関。 大阪産業創造館(サンソウカン)

日額で支給するテレワーク手当と割増賃金の計算方法

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  • 日額で支給するテレワーク手当と割増賃金の計算方法

    弊社では、毎月在宅勤務した日数に応じ光熱費などの負担としてテレワーク手当(日額300円)を渡し切りで支給しています。基本給やその他の手当は月額です。当月のテレワーク手当の総額を月額として時間外労働等の割増賃金を計算したらよいですか?

    日額のテレワーク手当は「在宅勤務をした日」の割増賃金の算定基礎になります。


    渡し切りで支給しているテレワーク手当は賃金として扱いますので割増賃金の算定基礎に含まれます。ご質問の計算方法では日額のテレワーク手当を月額とみなして割増賃金を計算されていますが、実は賃金が時給か日給か週給か月給か歩合給か…等の支払形態の違いによって、割増賃金の計算方法が異なります。時給換算額の計算方法は労働基準法施行規則第19条に定められています。日給、月給それぞれの時給換算額は次のように計算します。
    【日給の場合】時給換算額=日額÷1日の所定労働時間数
    (日によって所定労働時間数が異なる場合、1週間における1日平均所定労働時間数)
    【月給の場合】時給換算額=月額÷1か月の所定労働時間数
    (月によって所定労働時間数が異る場合、1年間における1か月平均所定労働時間数)

    労働基準法施行規則の方法とご質問の計算方法で割増賃金額を比較します。
    (条件)
    月額で定められた賃金(基本給+手当)の合計額:250,000円
    テレワーク手当(当月の在宅勤務は10日):300円×10日=3,000円
    1日所定労働時間:8時間
    1か月平均所定労働時間:170時間
    当月の法定時間外労働の時間:30時間(出社25時間、在宅5時間)

    ★その1(労働基準法施行規則通りの計算方法)
    出社勤務にテレワーク手当は支給されませんので、出社での割増賃金の算定基礎にテレワーク手当は含まれません。
    1時間あたり割増賃金(出社)=250,000÷170×1.25=1,838…円(単価①)
    一方で、在宅勤務にはテレワーク手当が支給されますので、時給換算したテレワーク手当を割増賃金の算定基礎に追加します。
    1時間あたり割増賃金(在宅)=(250,000÷170+300÷8)×1.25=1,885…円(単価②)
    よって、当月割増賃金額は次のようになります。
    当月割増賃金額=単価①×25+単価②×5=55,381円(A)

    ★その2(ご質問の計算方法)
    1か月のテレワーク手当合計額を月額の手当とみなして計算します。
    1時間あたり割増賃金(出社・在宅)=(250,000+3,000)÷170×1.25=1,860…円(単価③)
    当月割増賃金額=単価③×(25+5)=55,809円(B)

    この計算方法による金額が法令の計算による金額以上((A)<(B))であれば、法的な問題はございません。ただし一つ注意点があります。もし法定時間外労働の時間が出社勤務5時間、在宅勤務25時間のようにトータルで月30時間の時間外労働であっても在宅勤務の割合が増えると、労働基準法施行規則通りの計算で当月の割増賃金額は56,319円になり、(B)の額を支払うと法令の計算による金額を下回りますので、結局は法令通りの計算を下回っていない事の確認が必要になります。

回答した専門家
労務管理

林 利恵

最も重要な経営資源である「ヒト」に関する知恵(インテリジェンス)で、経営課題...

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