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アパレル販売における適正在庫の考え方と販売計画の立て方は?

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  • アパレル販売における適正在庫の考え方と販売計画の立て方は?

    アパレル店を経営しているのですが、売上の減少が続いており、売れ残った在庫が経営を圧迫しています。在庫削減と売上回復を同時に実現するにはどうしたらいいでしょうか。

    少ない在庫でプロパー売上を増やす方法を考えて実践するしかありません。


     「商品を仕入れて店頭等に陳列し、お客様へ販売して売上代金を回収する」という流れにおいて、在庫を上手く統制できれば売上アップに繋がり、統制に失敗すれば損益や資金繰りに悪影響を及ぼします。
     アパレル販売においては、仕入商品を値引き無しの通常価格(プロパー価格)で売り切り、売れ残りゼロの状態にすることが理想です。しかしプロパー価格で売れなくなると、セール販売が増え、プロパー価格で更に売れなくなるという悪循環に陥り、利益がどんどん減少します。そのうちセールでも売れなくなり、売れ残りが増え、在庫管理コストがかさみ、売れ残り処分による損失が発生し、損益が更に悪化します。また在庫過多により資金繰りも悪化します。
     従いまして、少ない在庫でプロパー売上を増やすことが、損益改善と資金繰り改善への近道であると言えます。
     具体的にはプロパーで確実に売れる商品だけを時系列で販売できるように仕入れ、アイテム・色・サイズを絞り込み、在庫を抑え、売れ筋を迅速に投入して販売機会ロスを排除し、プロパー売上を増やします。
     そして仕入の際にやるべきことが販売計画の策定です。店頭展開商品を週別に決定し、コーディネート販売を計画的に考えて客単価を算出して、商品別に目標販売枚数・額を設定します。さらにそれと連動したディスプレイやレイアウトを計画し、週別売上高として予算化します。そして客単価予算と売上高予算から、週別の客数も予算化します(売上高=客数×客単価)。
     また在庫についてですが、もし在庫過多で赤字が常態化しているのであれば、プロパーで販売する分だけを真剣に検討して仕入れてみてください。少なくとも在庫は削減できるはずです。ただ適正在庫は一様ではなく、経営状況やお店の特性によって変わります。
     従いまして、現状の在庫・売上バランスと損益状況を正確に把握し、少ない在庫でも売れる方法を真剣に検討して販売計画を策定し、自社に合った適正在庫水準を見極めるしかありません。

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