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理念を作ったのに浸透しません。理念を社内に浸透させるには何をすればいいですか。
掲げているだけでは理念は浸透しません。理念浸透の取り組みを実践しましょう。
理念が社内に浸透しない場合、いくつかの要因が考えられます。以下に3つの要因を上げました。該当すると思われるものについて、取り組みを進めていきましょう。
1.経営者と社員の関係性の問題
理念が社内に浸透しない要因の一つ目は、経営者と社員との関係性の問題です。たとえば
・経営者と社員の距離が遠い。
・経営者と社員の信頼関係ができていない。
・社員にとって会社との一体感がない。
などです。
経営者と社員の距離が遠かったり、信頼関係ができていない場合、経営者が策定した理念についても、十分に共感できない、納得できないといったことが起こりがちです。
このような場合は、そもそも経営者と社員の間に双方向のコミュニケーションが不足しているケースが多いです。経営者が社員の話をじっくり聞く場を設けるなど、まずコミュニケーションの改善、強化に努めることが必要です。
2.策定プロセスの問題
理念が社内に浸透しない要因の二つ目は、経営理念の内容に社員が納得しにくい、共感しにくいという問題です。
このようなケースでは、そもそも、経営者が策定した理念を社員に十分説明していないことも多いです。そして、説明していない理由をお尋ねすると、策定した理念について、経営者自身が腹落ちされていないケースも見られます。このような場合は、理念の見直しも必要かもしれません。
そして、理念の見直しを行う場合は
・経営者自身が本当に腹落ちする理念にする。
・社員にも策定プロセスに関わってもらい、自分ゴト化してもらう。
・抽象的なきれいごとではなく、実務と結びついた内容にする。
などの対応策が考えられます。
3.浸透の取り組みの問題
理念が社内に浸透しない要因の三つ目は、経営者が積極的に、経営理念の浸透に取り組んでいないというケースです。
このようなケースでは、経営者が「そもそも理念はすぐには浸透しないもの。掲げているうちにいつか浸透するのだろう」と考えて、具体的な理念浸透策を講じておられないことが多いです。
掲げているだけでは、理念は浸透しません。理念を浸透させるには、そのための具体的な取り組みが必要です。たとえば
・朝礼で取り上げるなど、頻度高く、理念に接する機会を作る。
・経営者や管理職が日々の仕事に紐づけて発信する。
・経営者など上からの一歩通行な情報発信にならないように、社員にも情報発信側に立ってもらう。
・評価項目に理念評価をプラスする。
などが考えられます。
そして、そもそもの前提条件として、経営者が理念を有言実行することが必要でしょう。