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経営理念が大事と聞きました。小さな会社ですので、経営理念と言われても必要性がピンときません。経営理念の意義は何か教えてください。
経営や組織の軸を作り、社会からの信頼を得るために必要です。
経営理念とは、企業が目指す方向や、企業の存在意義を端的に表したものです。経営理念の意義は大きく3点あります。順にご説明します。
1.経営の軸を作る
経営者の中に経営の軸を作ることが第一の意義です。何のために企業を経営するのか、自社が目指す方向は何か、自社は何のために存在している会社か。このようなことを経営理念として、明文化しておくことで、判断に迷う時、困難に陥った時に立ち戻ることができる経営の基軸を作ることができます。
2.組織の軸を作る
経営理念を組織の中に浸透させることによって、経営理念を社員の行動指針として活用することができます。経営理念が浸透した組織では、経営理念を軸に、個々の社員が自律的に判断、行動できるようになるので、強い組織となります。
また、経営理念が社会的に意義深いものである場合、経営理念を社内で共有することで、社会に役立つ仕事をしているという誇りが社員の中に生まれ、意欲の向上が期待できます。
さらには、社会的に意義深い経営理念は、優秀な人材を惹きつけます。経営理念を明らかにすることで、企業の価値観に共感する優秀な人材を採用することができるようになります。
3.社外からの信頼を得る
経営理念を社外に発信することで、この事業を通じて、社会にどんな価値を広め、貢献しようとしているのかという企業の想いやミッションを伝えることができ、経営理念に共感する人からの信頼を得ることができるようになります。
いずれにせよ、経営理念は、策定が目的ではありません。経営ツールとしてしっかり活用することが必要です。額に入れて社長室に飾って終わりではなく、社内にしっかり根づかせてこそ、経営理念の存在意義があります。
そのためには、社員の参画を得て策定すること、行動指針として活用できるように常に参照できるようにすること、必要に応じて内容を見直すことなども必要です。