今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
詳細画面から専門家に、メール相談や直接会っての面談などを申し込むことができます。
営業時間の時短や度重なる自粛で売り上げが激減しています。
こういった理由から、自店も「二毛作」にチャレンジしようかと考えています。
飲食店で、昼と夜、別の業態などの「二毛作」を始めるのに注意することは何ですか?
自分(お店)に無理のない “3つのバランス”を知ることです。
「二毛作」の例として、「昼はカフェ・夜はBAR」、「昼は料理教室・夜は高級和食店」、「昼は弁当屋・夜は焼肉屋」等といった、パターンがあげられます。
「二毛作」を始める前に、特に「注意すること」トップ3は“バランス”です。
【「二毛作」営業における3つのバランス】
① 投資額と回収期間(年月)や利益率との“バランス”
② 経営理念、新旧のお店におけるメニューの方向性との “バランス”
③ メリットとデメリットの“バランス”
① 投資額と回収期間(年月)や利益率との“バランス”
二毛作をすることで、厨房設備や道具・器、保健所への届け出(場合により)、または新しい
HPなど、いろいろと出費がかさみます。なるべく投資額を低く抑えることと、どうしても
必要な投資は、それらの回収期間は、どのくらいになるのかシミュレーションしてみてくだ
さい。
算出した回収期間は無理がないかどうか?あまりにも薄利多売ではないか?投資額との“バ
ランス”を冷静に判断してください。
② 経営理念、新旧のお店におけるメニューの方向性との “バランス”
「フレンチレストラン(夜)のコースのデザート人気メニューを集めたスイーツ屋(昼)をオー
プン」や、「職人歴30年以上のすし屋(夜)の大将が教える、和食の基本料理教室(昼)」等
は、誰でもスムーズに安心・納得・理解できる昼と夜の「二毛作」ですが、「元々オ
ーガニックにこだわったメニューのイタリアン店(夜)であるにもかかわらず、安価なレトル
トだらけで作った弁当屋(昼)」などは、従業員も戸惑ったりモチベーションが下がったり、
既存のお店のファンを失ってしまう可能性があります。昼と夜の経営理念やミッションがず
れていないか?冷静に判断しましょう。
③ メリットとデメリットの“バランス
「二毛作」のメリットは、利益の増加・客単価アップ・食材ロス削減・差別化・宣伝拡大・
既存客への再アピール・時間(場所)の有効活用などですが、デメリットは、共に中途半端ま
たは共倒れになる・顧客へ混乱を招く・仕入れコストが増える・従業員に対し精神的負担を
かける・人件費や労働時間増加などの可能性が考えられます。
メリットデとメリットを考えたときに重視するのは何かを踏まえ、“バランス”を考慮し、整
理してみてください。
ビジネスの成功に“勢い”は大切なことですが、コロナ禍においては「一か八か」ではなく、失敗やミスを最小限にとどめることを優先し、準備やスタートされることをおすすめします。