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IoT化で製造現場の生産性向上という話を最近よく耳にするようになりました。しかし、製造現場のIoT化について、何から取り組めば良いのかよくわかりません。取り組みのヒントを教えてください。
現場改善を通じ、IoT化に向く課題を見つけましょう
IoTとは、Internet of Things の略で、「モノのインターネット」とも言われます。現在、製造現場のIoT化による生産性向上が求められています。
では、なぜIoT化すると生産性向上が期待できるのでしょうか。例えば、NC加工機をIoT化した場合、NC加工機の運転データをリアルタイムに収集することが可能となります。そして、適切に収集したデータの分析により、加工不良の原因追求のスピードアップや加工条件の最適化と加工制御などが容易になります。このような改善を継続し続けることで、生産性の高い製造現場を実現できます。
では、製造現場のIoT化により生産性向上を果たすには、何から始めるべきでしょうか。それは、製造現場の生産性向上を達成するために、IoT化により解決したい具体的な課題を明確にすることです。
例えば、ノギスの測定結果の転記ミスが多く、データ修正やデータのダブルチェックの影響で生産性が低い場合、「測定結果の転記ミスをゼロにする」と課題を明確に設定します。そうすることで、デジタルノギスの導入などの改善シナリオが具体的に描けるようになります。
しかし、課題も不明確なまま、とりあえず設備にセンサーをつけ、稼働状況を見える化した場合、状況は変わります。設備稼働率は把握できるものの、設備稼働率を高めるために現場で解決すべき問題を見抜けないため、生産性向上に向けた改善シナリオが描けず、改善も進みません。
そこで、製造現場の課題を明確にするためには、現実空間の現場改善を普段から推進し、現場力を高めてください。現場改善を推進することで、IoT化で改善すべき製造現場の課題が見えるようになります。さらに現場力が高まるにつれ、設備の管理ポイントなどを適切に把握できるようになります。結果、IoT化により収集すべきデータの選択を適切に行え、分析結果を有効活用できるようになります。
まずは、現場改善を通じ、現場力を高め、IoT化に向く課題にチャレンジしてはいかがでしょうか。