今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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当社はベンチャー企業であり、アイディアを活かしてウェブサービスを立ち上げたいと思っています。ウェブサービスには利用規約が必要と聞きましたが、利用規約を作成する際の注意点を教えて下さい。
ウェブサービスの実情や法律に合わせた内容にする必要があります!
ベンチャー企業の方から、利用規約について以下のような質問を受けることがあります。
①「他社の規約の良いとこどりをすれば良いですよね?」
②「誰も読んでいないから、会社に有利な内容にしておけば良いですよね?」
答えは、「No」です。このような前提で作成された利用規約には、法的に大きな問題が潜んでいることがあります。
例えば、①他社の利用規約を転用したことにより、利用規約と実際のサービス内容にズレが生じてしまい、利用者から事業者として想定していなかったサービス提供を求められる(提供しないと契約違反になる)ことがあります。また、②「本サービスの利用に関して利用者に生じた損害について、当社は一切賠償する義務を負いません」という規約は、消費者契約法違反等により無効となる可能性があります。
他にも、よくあるご相談として、ウェブサービス内でポイントを発行しようとする場合、資金決済法や景品表示法の規制を受ける可能性があり、気付かずにポイントを発行したことで、法律違反の状態になってしまう可能性もあります。
そこで、利用規約を作成する際には、弁護士によるリーガルチェックを受け、当該ウェブサービスの実情に合わせた内容にしておく必要があります。
なお、せっかく時間をかけて利用規約を作成したとしても、利用者から適切に同意を得たとはいえない(例えば、申込画面の目立たない箇所に小さく利用規約へのリンクが貼られている)ような場合、利用者から「そんな制限は知らなかったから応じない」と主張されてしまう可能性もあります。
また、「とりあえず利用規約の形だけ作って、後で変更したら良いんじゃないですか」というご質問を受けることもあります。しかし、利用規約も契約である以上、内容を変更するにあたっては利用者の同意を得る必要があります。
そこで、利用規約の内容とともに、同意の取得方法も慎重に検討すべきでしょう。