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年次有給休暇を使った一斉休暇を設けるときの手順について教えてほしい。
就業規則による規定と労使協定の締結を行います
年次有給休暇の計画的付与制度とは、就業規則による規定と労使協定に基づき、年次有給休暇の付与日数のうち、5日を除いた残りの日数について計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度です。事業主にとっては労務管理がしやすく計画的な業務運営ができること、従業員にとってはためらいを感じずに、年次有給休暇を取得できることなどのメリットがあります。
年次有給休暇の計画的付与制度には、次の3つの方法があります。
1.企業もしくは事業場全体の休業による一斉付与方法
2.班・グループ別の交替制付与方法
3.年次有給休暇付与計画表による個人別付与方法
年次有給休暇の計画的付与制度を導入する場合には、まず、就業規則に「5日を超えて付与した年次有給休暇については、従業員の過半数を代表する者との間に協定を締結したときは、その労使協定に定める時季に計画的に取得させることとする」などのように定めることが必要です。
実際に計画的付与を行う場合には、就業規則の定めるところにより、従業員の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する者との間で、書面による協定を締結する必要があります。なお、この労使協定は所轄の労働基準監督署に届け出る必要はありません。
労使協定で定める項目
1.計画的付与の対象者(あるいは対象から除く者)
2.対象となる年次有給休暇の日数
3.計画的付与の具体的な方法
4.対象となる年次有給休暇を持たない者の扱い
5.計画的付与日の変更
働き方改革関連による労働基準法の改正案によると、10日以上年次有給休暇を付与される労働者に対して5日分を取得させなければならない、つまり年次有給休暇の取得義務化が検討されています。年次有給休暇の取得率の低い会社では計画的付与について検討されてみてはいかがでしょうか?