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製造現場のムダを削減すると生産性が向上すると聞きました。ムダを削減するには、どのような取り組みをすればよいでしょうか。
製造現場のムダを発見し、排除する活動を行っていきます。
製造現場には、多くのムダがあり、ムダを発見し、ムダを削減することにより、付加価値の高い業務が多くなり生産性が向上します。製造現場での即効性のある3大ムダが、手待ちのムダ、運搬のムダ、在庫のムダ、になります。
1.手待ちのムダ
手待ちのムダとは、その名の通り作業をすることなく手が待ち状態のことです。例えば、ライン生産の場合、改善前のラインの効率を表すラインバランス効率は
ラインバランス効率=工程の所要時間/(ピッチタイム×工程数)
=(8750+7500+6250+5000+7000)/(8750×5)=78.9% で21.1%と手待ちが多いですが、工程を配分した改善後のラインバランス効率は、
ラインバランス効率=(7000+6250+6750+7500+7000)/(7500×5)=92.0%
となり、全体の8%しかムダがなくなり、生産量を増やすことが可能になります。
2.運搬のムダ
運搬のムダとは、パレットからパレットへ移しかえる動作、棚から手元へモノを運ぶ動作などの小さな動作など、倉庫から工場へモノを運ぶまでの一連の動きをいいます。この中で付加価値がつく動作は一つもありません。
倉庫は必要か、直接材料を材料置場や機械場へ納入できないか、などを検討してみましょう。工具は、工具台車などを作成し、必要な工具を手元におく手元化を行うことで、工具の運搬するムダが省かれます。
3.在庫のムダ
在庫のムダとは、余分なモノを買いすぎたり、造りすぎたりすることに起こるムダで、材料、部品、仕掛品、完成品などの全てが対象となります。もちろん「必要な在庫」はあります。必要な在庫と、買いすぎ、造りすぎた在庫を区別しないと、ムダな在庫が発生します。いつ使われるのかはっきりしない、余分に造っておけば後工程に迷惑をかけないという安心感、といった管理の甘さから在庫のムダが発生します。すべての在庫は、そこに存在する理由があり、なぜそこにおいてあるのか説明できなければ、全てムダな在庫になります。