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短期経営計画として予算は毎年作成していますが、中期経営計画は作成したことがありません。両者はどのように違うのでしょうか。
中期経営計画は進むべき方向性を明確にし、短期経営計画は「今を知るモノサシ」です。
経営計画は、大きく3つに区分することができます。
長期経営計画(10年程度)、中期経営計画(3〜5年)、短期経営計画(1年)です。
まず、それぞれの違いを把握しておきましょう。
長期経営計画は、経営方針や長期的なビジョン、例えば10年後にありたい姿などをまとめたものです。
中期経営計画は、もう少し短いスパンで、長期的なビジョンを実現するために、企業の進むべき方向性を明確にし、「今、何をなすべきか」を明らかにすることを狙いとして策定されるものです。「現状から見た将来を示すもの」と言えます。
それに対し、短期経営計画は数値計画などを詳細に立てたものであり、「今を知るためのモノサシ」だと言えるでしょう。
「先が見えやすい」という意味で、作りやすいのは短期経営計画ですが、中期経営計画あっての短期経営計画の方が効果的です。
例えば、赤字に苦しんでいる企業の場合、1年後に黒字にするのは至難の業かもしれません。せっかく計画を立てても、実践する意欲にはつながらないかもしれません。しかし、中期経営計画であれば、1期目が赤字でも「数年後には黒字になる」という希望を持つことができます。
まとめると、中期経営計画を作成したうえで、そこから短期経営計画に落し込むことで予算化し、予実管理を行うことが望ましいといえるでしょう。
最後に作成の頻度についてですが、中期経営計画は、「現状から見た将来を示すもの」です。現状が変われば将来も変わりますので、毎年作り直すことが理想的です。短期経営計画は、その実現のために、年度ごとの実行計画を策定したもの。予算と実績の差異を測り、現在地を知る「モノサシ」ですから、一度作ったら変更はしないのが原則です。