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海外ビジネスへの進出を考えていますが、直接投資や直接輸出を行うのはハードルが高く、リスクも感じています。このため、まずはインターネットを活用して、海外ビジネスに取組んでみたいと思っています。その際に、注意すべき点を教えて下さい。
インターネットでの海外ビジネスで成功するには、注意すべきポイントがあります。
インターネットを活用した海外ビジネスは「越境EC」とも呼ばれ、低い初期投資や、実店舗が無くても展開出来るといったハードルの低さから、昨今海外向けのBtoCやCtoC展開の手法として組まれる方が増えています。
海外へ向けてインターネット通販を行うためには、販売の窓口として①収益をすべて自社に取込め、詳細な商品説明も可能な、自社による販売サイトの作成。②AmazonやeBay、TAOBAOといった、手数料や登録料は発生するが、運営や決済、配送等のサービスも備えた国際的なインターネットモールへの出店といった方法があります。
最近では、自分でECサイトを構築できるツールも開発されており、取組み易い環境が整いつつありますが、売上の獲得につなげるには、インターネット経由の販売でありながら、消費者からの信頼を獲得するための工夫が必要です。また、検索時に表示されるようにリスティング等のインターネット上の広告や、問合せへの対応体制を構築することも必要です。特に、海外からは「自国では手に入らない」「自国で購入するよりも安い」「自国で購入するよりも品質が良い」といった動機で、インターネット通販を利用されることが多く、こういった視点からの品揃えや、将来的には海外パートナーやファンを作ってサービスの充実を図るといった視点も必要です。
なお、インターネットを活用した海外ビジネスでは、偽造や不正クレジットカードの使用や取込詐欺といった不正注文に見舞われるリスクもあります。これらに対しては①不信な注文に対しては電話やメールで確認を行う、また決済代行会社やカード会社に相談する②高額な注文などは前払いとする③取引規約や利用ガイドに店側の判断で怪しげな注文はキャンセルする場合がある旨通知しておくといった対応が必要になります。
また、注文よっては現地での輸入関税を安くするために、配送インボイス(送り状)の価格を低くして欲しいとの依頼が来る場合があります。こういった行為は「アンダーバリュー」と呼ばれ、違法行為になります。またEMS等の国際宅配便では、申告された額を保険の対象としますので、配送トラブルがあった際に補てん出来なくなってしまいます。これらの説明も購入者に説明する必要がございます。
インターネット通販といえども、海外への販売になりますので、販売先国や地域の規制等への対応、場合によっては現地での当該商標の使用の可否確認や万一に備えた、海外PL保険(海外生産物賠償責任保険)への加入の検討も必要となります。