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外国人のスタッフを雇用して、訪日外国人(インバウンド)向けのビジネスの開始を検討しています。この際に気をつけるべき点を教えてください。
採用時には在留資格等の確認及び法規や各機関への問合せにご注意下さい。
訪日外国人(インバウンド)の急増により、新しい販路やセールスを外国人向けで検討をされるケースが増えています。こういった際に、外国人スタッフを自社で雇用することが、言語の問題や外国人客の嗜好を知るために有効な手法として最近注目されています。
本稿では外国人を雇用する際の注意点を述べさせて頂きます。
①採用募集時の注意
・雑誌・インターネット等で外国人を募集する際「職業安定法」で「国籍による差別をしてはならない」と規定されていますので、注意が必要です。ただし「韓国語が堪能な方」や「日本語能力試験2級レベル」といった個人の能力や、技能・資格などに関する採用条件を記載する方法は認められています。
・大阪には「外国人雇用サービスセンター(大阪市北区)」といった公的紹介機関もありますが、民間人材会社からの紹介の場合は、その会社が厚生労働大臣の許可または届出を受けているかどうかを必ず確認する必要がありますのでご注意下さい。違法なブローカーを利用して外国人労働者を使用した場合「不法就労助長罪」として雇用主も罰せられるケースがあります。
②雇用時の注意
・2012年から正規に日本に中長期間(3ヶ月以上)在留する外国人の方には「在留カード」が交付されています。雇用時には本人の「在留カード」の有無を確認し、カード表面の「就労制限の有無」欄を確認して下さい。この際「一部就労制限」と記載があり「技能実習」や「特定活動」として指定機関及び指定就労活動のみが許可されている場合があります。また「就労不可」と記載があっても、カード裏面の「資格外活動許可」欄に「許可」として「原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」や「資格外活動許可書に記載された範囲内の活動」として就労活動が出来るとなっている場合があります。雇用時に、雇用対策法に基づく外国人雇用状況の届出が義務づけられている事業主の方は,外国人(「特別永住者」、「外交」及び「公用」は除く)を雇用した場合や外国人が離職した場合、ハローワークへ届出が義務付けられています。また、ハローワークへの届出が義務づけられていない事業主の方は,就労資格(「芸術」,「宗教」,「報道」及び「技能実習」を除く)をもって中長期間在留する外国人を雇用した場合やこれらの者が離職した場合は、入国管理局への届出が必要です。
③自社でビザ発給を申請して雇用する場合
・入国管理局へビザ発給の申請を行う場合、採用する会社との雇用する外国人との間で、雇用契約が正式に締結されている事が前提となっています。このため、万一ビザ発給が下りなかった場合の双方のトラブルを避けるため「雇用契約書」には労働基準法ほか日本の労働関係の諸法令に基づいた合法的な内容を、本人が理解できる言語で示し、「この雇用契約は日本政府の正当で就労可能な在留資格の許可及び在留期間の更新を条件として発効するものとする」といった文言を入れ、ビザ発給申請前に了承を得ておくことが必要です。