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外国人が日本で会社を設立する場合、どのようなことに注意すればいいのでしょうか?
また、日本人が会社を設立する場合との手続上の違いはあるのでしょうか?
日本人が設立する際と手続は変わりませんが、提出書類が違ってきます。
外国人が日本で会社を設立する場合と、日本人が会社設立する場合で、手続が大きく変わることはありません。
一般的な会社の手続きの流れとしては、①定款作成→②公証人の定款認証→③出資の払込み→④設立登記申請となりますが、この流れについては外国人が会社を設立する際も同じです。
しかし、外国人が日本で会社を設立する際には、当然のことながら言語の違いの問題があり、外国語で書かれた書類を法務局に提出する場合は日本語訳がついていなければなりません。
また、多くの国で印鑑の制度は存在していませんが、上記手続のうち、定款認証や設立登記申請の際には発起人や代表取締役の印鑑証明書が必要になります。そこで、印鑑証明書に代わる書類として、サイン証明書や宣誓供述書が必要になり、会社設立手続きにおける必要書類の面では違いがあると言えます。
上記のとおり会社の設立に関しては書類さえ揃えば、外国人が会社を設立する場合と日本人が会社を設立する場合とで大きな違いはありません。
一方、外国人が会社を設立する際の特有の問題としては、在留資格があげられるでしょう。就労制限のない在留資格を持っていない外国人が会社を設立・経営していくには「経営・管理」の在留資格が必要になります。
せっかく会社を設立したとしても、外国籍の方は在留許可がなければ日本に滞在し営業活動を行っていくことはできませんので、在留許可の申請については慎重に行う必要があります。
また以前は、代表取締役の内1人は日本に居住していなければならないという登記上の取扱いがありましたが、それは既に変更され平成27年3月16日以降、代表取締役の全員が日本に住所を有しない株式会社の設立の登記及びその代表取締役の重任若しくは就任の登記が法務局で受理される取扱いとなりました。
よって、海外に居住していても日本で会社を設立し代表取締役に就任することは可能となったのですが、ここで気をつけなければならないことは、日本に代表者が居住していない会社は、銀行口座の開設が非常に難しいという点です。
会社名義の口座が開けないというのは、円滑に営業活動を進めていく上で大きな障害となりますので、その点にも注意は必要かと思われます。