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管理職には残業代を支払わないので、労働時間管理を行わなくていいですか。
労働安全衛生法上、労働時間の状況を把握する必要があります。
1.まず、「部長」、「店長」等の肩書を与えられていても、労働基準法上の管理監督者(同法41条2号)に当たるとは限らないことに注意が必要です。
管理監督者該当性の基準は、職務内容の重要性、責任と権限の重要性、勤務態様及び賃金等の待遇において、実態的に見て「経営者と一体的な立場」にあるかにより判断されます。
管理監督者性については、厚生労働省の「労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために」に詳しい説明がありますので、ご参考にして下さい。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/dl/kanri.pdf
管理職であっても管理監督者に当たらない場合は、一般の従業員と同様に、労働時間管理を行い、残業代を支払わなければなりません(労働基準法37条)。
2.また、管理監督者についても、平成30年の働き方改革関連法において労働安全衛生法66条の8の3が新設され、労働時間管理が必要になりました(平成31年4月1日施行)。
事業者は、「休憩時間を除き一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が一月当たり八十時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者」(労働安全衛生規則52条の2第1項)の申出(同規則52条の3第1項)により、医師による面接指導(同法66条の8)を行わなければならないため、労働時間の状況を把握しなければなりません(同法66条の8の3)。