今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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能力・成果を重視し、より公平・透明な賃金体系にするため、仕事の成果に関係しない家族手当等、属人的手当を廃止したいのですが、どのようなことに気を付けるべきですか。
不利益変更となることに留意し、従業員の納得を得るよう努力しましょう。
手当廃止により従業員の賃金が下がる場合、労働条件の不利益変更となりますので、労働者の合意(労働契約法8条)や就業規則変更(同10条)が必要になります。
就業規則変更による場合、「変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的」であることが必要です(労働契約法10条)。
例えば、労働者の受ける不利益の程度を緩和するため、属人的手当廃止により確保される原資を基本給に組み入れ、賃金原資の総額が維持されるようにしたり、経過措置を設けることも一案です。
また、従業員の納得が得られるよう、丁寧に説明会や労使交渉を行いましょう。
この点、厚生労働省が「配偶者を対象とした手当に関する見直しが実施・検討された事例」につき、業種、企業規模及び変更内容をまとめていますので、ご参考にして下さい。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000123734.pdf
最後に、就業規則を変更した場合は、施行日までに事業場内に備え置く、社内PCからアクセスできる場所に就業規則データを保存する等の方法により、周知させて下さい(労働基準法施行規則52条の2)。