今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
詳細画面から専門家に、メール相談や直接会っての面談などを申し込むことができます。
飲食店を営んでいます。アルバイトの従業員がキッチンで床に擦りつけた鶏肉を、そのままフライヤーで調理するなどの悪ふざけをした写真をSNSに投稿したため、マスコミから取材が来ました。どのように対応すればよいでしょうか。
企業として正当性を主張するのではなく、顧客目線に立った対応を心がけましょう。
企業の内部で発生した不祥事であっても、SNSの普及に伴い、不特定多数に拡散されるリスクが高くなっています。不祥事を知ったマスコミが企業に取材の申し込みを行うこともあり得ます。その場合どのような対応をすればよいのでしょうか。
まず、事実関係が十分に確認できていない場合は取材に応じるべきではありません。なぜならば、不正確な事実を伝えるとそのこと自体が大きな混乱を招くうえ、「不誠実な企業だ」という印象を与えてしまうことになるからです。
そして、事実関係が確認でき、取材に応じるとしても、「あくまで内部のことだから。」とか、「悪いのは従業員。こちらも被害者である。」などと、企業としての正当性を主張するのは得策ではありません。なぜならば、仮に、一部の従業員が行ったことであったとしても、マスコミや顧客からすれば「ひどいサービスを提供する企業だ。」「もうあの企業は利用しない。」と企業全体の問題ととらえがちです。したがって、基本的には、あくまで顧客目線に立って「当社の従業員の不始末を深くお詫びします。」といったスタンスで臨むことが重要になります。
さらに、取材に応じる前に、具体的な対応方針とともに想定問答を作成しておく必要があります。
具体的な対応方針を立てる際のポイントは、以下のとおりです。
① 法律上の責任だけでなく、道義的な責任の有無も含めた検討をしておくこと(「世間を騒
がせた」ことが謝罪の対象となる場合もありうる。)。
② 不祥事発生の原因と当該案件の顧客対応、再発防止のために講じる措置を説明できるように
すること。
③ 必要に応じて事案の概要や上記①②を簡潔に記載したポジションペーパーを作成し、配布す
ること。
また、想定問答については、「想定問答以外の質問も当然ありうる」ということを認識しておく必要があります。想定問答を作成する過程で当該事案に対する理解を深めていき、どんな質問でもきちんとした回答ができるようにしていくのが理想的であるといえます。