今までいただいたご質問の中で多かった質問とその回答例です。
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新たな取引先との取引が決まり、事前の交渉を経て取引先から取引基本契約書を提示されました。どのような点に注意して契約書を確認すればよいでしょうか。
取引内容との一致、文言の一義性等に注意が必要です。
まずは、取引基本契約書の内容が、事前交渉の結果、合意された取引内容と一致しているかどうかを確認してください。特に代金の支払期日、支払方法、納品方法など債務履行の内容に直接関わる規定については、実際の取引内容と一致しているかどうかの確認が重要です。また、取引先と事前交渉において特別な合意に至った場合は、その合意内容が契約書に明記されているかを確認して下さい。特別な合意については、通常、取引先が使用している取引基本契約のひな型には記載されていませんので注意が必要です。
また、契約書の文言が一義的に明確でない場合も注意が必要です。このような場合は、取引先に文言の意味を確認した上で、その文意が明確になるように文言の変更を求めるか、文言の意味を確認するやり取りをメール等で行い記録に残しておくと良いと思います。
個別の条項では、期限の利益喪失条項と合意管轄条項に注意して下さい。期限の利益喪失条項は、代金支払いを受ける側(売主側、請負側等)である場合は特に重要です。この規定がないと、取引先に支払停止等の期限の利益喪失事由が生じた場合でも直ちに支払いを求めることができず、早期の代金の回収を行えないおそれがあります。また合意管轄条項は紛争となった場合の裁判管轄を定める規定ですが、仮に管轄裁判所が遠方とされていた場合、法的手続に手間や費用がかかってしまうおそれがありますので注意が必要です。
さらに、相手方(取引先)のみが一方的に権利行使ができる規定の有無、到底履行ができない規定の有無等についても確認が必要です。
以上の他、契約書に少しでも気になる規定あれば、その規定の意味や適用場面等を取引先に確認して、契約書の内容に納得した上で契約締結をすることが重要です。
なお、以上の注意点は、すべての取引基本契約を対象としたものですので、各契約形態(売買、請負等)に応じた注意点は別途必要となります。